「監督の情熱が伝わる作品」母 小林多喜二の母の物語 やまやんさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の情熱が伝わる作品
この作品には、主人公である小林多喜二の母役の寺島しのぶさんをはじめ、錚々たる顔ぶれの役者の方が登場しています。決してお金をかけられた訳でなくとも監督の情熱・思いが役者に伝わる事により、これだけの素晴らしい作品が出来上がったんだと、よく理解出来ました。
今、日本はかなりの閉塞感に苛まれています。マスコミは真実をなかなか伝えようとせず、政府の御機嫌伺いに終始してどうでもいいニュースばかり流し、スピンコントロールに躍起になるばかり。
戦争は、絶対やってはいけない、という事をこの映画は諭してくれます。
日本は戦争の最中、治安維持法という悪法により余りに多くの無実の無辜の民が断罪され殺されました。小林多喜二氏もその一人で、常に貧しい者の味方し、現政府を批判した書物を書いただけで、映画では表現しづらい程のむごい殺され方をされたそうです。
今の日本の向きは、戦争をやる下準備を重ねているとしか思えません。特に、共謀罪成立を目指している事が大問題です。
名称をテロ等準備罪に変えて、テロ防止の為、日本五輪を成功する為と国民をごまかしていますが内容は同じです。コレが先に述べた悪法、治安維持法の復活となってしまいます。
少し話は逸れましが、戦争の悲惨さ、戦争による人民統制の怖さ、小林多喜二の母の大きく強い愛をもってしても、その流れには逆らえないとこの映画は語ってくれます。小林多喜二が如何に貧しい者の為に尽くしてきたかを知るキッカケにもなる筈です。
今一度、戦争とは何かを原点に立ち返り考える上でも、この映画を観て頂きたいです。
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