劇場公開日 2017年11月18日

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「動く美術品」KUBO クボ 二本の弦の秘密 uttiee56さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5動く美術品

2017年11月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

冒頭から物凄い迫力の映像美に打ちのめされた。映画というよりも、動く美術品である。一体これをどうやって人形で撮影したのだろうか。それとも背景はCGで描いているのだろうか。それにしては背景と人形が一体化していて、CGを使っているようにも思えない。エンドロールにほんの少しだけメイキングが現れたが、円盤を買えばもっとたくさんのメイキングが見られるのだろうか。いずれにせよ、気の遠くなるような手間をかけて作られているに違いない。

中世、おそらく鎌倉時代頃の日本をモデルにしている世界観は、日本人が見ても全く違和感がない。実写であれば違和感があったのかもしれないが、人形アニメーションということでデフォルメされていることも、違和感を感じずに見ることができた理由の1つであろう。これほどの映像美で表現された日本を見ることができるのだから、日本人であれば絶対に見ておいた方がよい。そして、これを外国人に作られてしまったことに対して、素直に悔しがるべきであろう。

物語は親子愛をテーマとする王道的なものであり、子供に見せる物語としては最上級のものであろう。大人が見るものとしてはやや退屈かもしれないが、日本人が持っていた死生観や家族観を思い起こさせてくれるものであり、大人の鑑賞にも耐え得るものである。

今回は日本語吹替版で鑑賞したが、全く違和感なく鑑賞でき、ベテラン声優と実写俳優をうまく起用できているのではないかと思った。オリジナルの字幕版でも見てみたい。

uttiee56