「姨捨山の惑星」GODZILLA 怪獣惑星 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
姨捨山の惑星
20年もかけて移民船“アラトラム号”はようやくくじら座タウ星eへと近づいたのだが、人間が生存可能な惑星じゃないことが判明。無駄足だったかと、老人になってしまった人たちは嘆くが、死に場所はちゃんとした陸地じゃないと嫌だと全てを諦めかけてる様子。地球ではゴジラが暴れまくり、人類が地球外惑星への移住計画を実行に移した結果なのだ。「ゴジラを倒してやっから地球に住まわせてくれ!」とばかりに宇宙人も参戦。しかし、人類は負けた。
住めない惑星ならば、地球に戻ろうと主張するハルオ・サカキ青年。彼の主張が通り、ゴジラを倒すべく長距離亜空間航行を決断し、地球へと向かう移民船。なんと地球では時間が約2万年も経過していたことがわかる。ゴジラももしかすると死んでるかもしれないとも考えたが、レーダーではちゃんと写ってる。ゴジラのシールドが空白となる時間を狙って攻撃すれば倒すことは可能だとして、揚陸艇で地球に着陸する。
そこはもはや知っている地球ではなかった。原始植物かと思えたものも刃のごとく鋼鉄化していたり、ゴジラ色のプテラノドンみたいなヤツが襲ってきたりする。それだけでも10数名の死者が出たりして大変な騒ぎなのだが、果敢にもゴジラを倒そうとする人類(宇宙人含む)。背びれが弱点だ!と、空飛ぶバイクとパワードスーツで攻撃する。そして、罠を仕掛けたところまで追い込んで(いつ仕掛けた?)、ついに仕留めたのだった。しかし、すぐ近くに2万年も生き延びて超大型へと成長したゴジラが現れた!人類危うし・・・
ゴジラ映画初のアニメ作品。しかも現代ではなく、2万年後という設定なので、恐竜時代のような未来の地球を楽しめます。戦闘シーンは迫力があるとはいえ、ゴジラの動きが鈍く、歩いているようには思えないという欠点も。最後には、え、何て中途半端な終わり方?と、呆然としてしまいました。なぜなら3部作の第1部だということを全く知らなかったからです。エンドロールが始まると同時に席を立つ人がいましたけど、最後まで見届けないと危険。謎の少女も登場するし、2作目が5月に公開されるという予告付きですよ!
〈2017年11月映画館にて〉
【追記:2020.5.2】
どうしても今のコロナ禍と比較してしまう。ヒト型人類は残り4000人。信仰深いエクシル星人のすがる姿、さらには移民を受け入れている地球人の存在。20世紀末にゴジラが登場してからグローバルというか、寛容性が高くなっていたのですね。
さらにはネット(?)での怪文書がすぐに削除されたり、委員会が強大な権力を持っていたり、「口減らしをしたいだけだろ」という言葉に現れているように、老いた者、災いの耐性が無い者は死んでもかまわない発想など、現在の状況に通ずるものがあった。
地球上の支配者となった人間。それは単なる驕りにしか過ぎない。必ず生存を脅かすナニカが現れるのだ。緊急事態宣言が発出されてから、時折“絶望感”が頭を過ったりしたのですが、この作品のラストの印象がそうさせたのでしょう。2作目、3作目を見て、元気つけなければ・・・