「ハードSFとしてのなかなかの完成度」GODZILLA 怪獣惑星 ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
ハードSFとしてのなかなかの完成度
ゴジラシリーズの1作として鑑賞するより、ハードSFモノとして観た方が楽しめる作品だろう。
『シン・ゴジラ』がファーストゴジラの原点に立ち返ったとすれば、こちらはその後のゴジラシリーズが辿った拡張とギミックの歴史を掘り返して、SFにまで推し進めたといえそう。現実に対するメッセージ性は特別に内包しておらず、ひたすら娯楽に徹した。ゴジラの生態の考察もなかなか凝っていて面白い。
脚本家の虚淵氏の個性も良く出ているし、ポリゴン・ピクチャアズのセルルックCGも一段と進化した。多くのキャラクターが1作目にして死んでいったが、2作目以降もきっと容赦なく死んでいくだろう。
89分の短い時間で人間ドラマは極力少なく、アクションの見せ場でつなぐ構成なので、若干物足りなさを感じなくもないが、1本目は導入部なのだろうから、ドラマパートはこれから煮詰まってくるのかもしれない。
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