「まさに第1部って感じ。」GODZILLA 怪獣惑星 カワズさんの映画レビュー(感想・評価)
まさに第1部って感じ。
私は昔から怪獣映画が好きで、ゴジラなんかもよくDVD借りて見たり、映画館に足を運んだりもした。
昨年公開されたシンゴジラの出来が良かったということもあり、楽しみにしながら劇場に向かったが……。
結論から言うと、この作品はゴジラとは言えない。というか、怪獣映画とは言えないと思う。
私なりのゴジラ映画、ならびに怪獣映画の面白さはどこにあるかと言えば、自分たちの知っている街が壊れていく光景。従来の火器では全く歯が立たず、どんどんとやられていく味方。じりじりと胸を締め付ける絶望感……。こういうのが醍醐味なのではなかろうか。怪獣プロレスが見たかった! とか的外れなレビューしてる奴は回れ右。シンゴジラの時も居たが、ゴジラは怪獣と戦ってこそだ! とか言っている馬鹿が散見される。もはや指摘するのも面倒臭いのでググってください馬鹿野郎。その楽しみ方を否定するつもりはないけどさ。
前置きが長くなりましたが、内容につてようやっと触れます。もう少しお付き合いをば。
前半部分が退屈、という意見をちらほら見かけるが、私は特にそうは思わなかった。とはいえど、怪獣映画を期待して見た人たちには序盤のSF関連の設定とかそもそも興味ないとは思う。逆に言えば、『2001年宇宙の旅』とか『蝿の王』などのSFが好きな人たちは楽しめるだろう。
途中出てくる亜空間移動やゲマトロン演算、時間の捻れなど、視聴者置いてけぼりな構成。SF映画好きな人には簡単にわかるだろうが、普段見ない人たちには何が何だかわからない。だからこそメカゴジラとかで間を繋いで興味を薄れないようにしていたのかもしれない。
後、全体的に尺が短いとは思った。時間の都合上仕方ないのかもしれないが、人物描写はもっとじっくりして欲しい。主人公が少し情緒不安定気味に思えてしまうし、何で周りはこいつについていこうと思うのかがわからない。あとヒロインの存在意義もよくわからん。あの相棒みたいなやつをヒロインにしたらダメだったの?
作画は文句なしに満点。シドニア感あるとか言われているが、あの時よりは格段に絵も見やすくなっている。
とはいえ、最後に出てきたあのキャラといい立ち絵といい、次回作を見たいという気にはされた。でももう一回見るか? と言われたらなかなか微妙。
個人的な所見。
いばらの王+進撃の巨人+ガルガンティア+インターステラー すごい俗っぽい言い方をすればこんな内容。というか監督の別作品であるガルガンティア感が強い。あれを鬱にしたらたぶんこんな感じ。本来なら星3か2くらいだけど、三部作構成の一部作ってことと、最後に出てきたとあるキャラが可愛いから星4にしときます。むしろ最後のが本音ですね。
『 ゴジラが見たい!』 って人や、『シンゴジラ面白かったしこれも見ようかな?』というようなら辞めた方がいいです。迫力のあるアクションやSF的なガジェットが好き、って人にこそオススメです。