「ストーリー「だけ」は割と良いのだが・・・」GODZILLA 怪獣惑星 solcovさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリー「だけ」は割と良いのだが・・・
クリックして本文を読む
シン・ゴジラが新しいゴジラ像を提示した後(しかもついこの間地上波で放送したし)にこのゴジラを見るのは正直かなり厳しい。
このゴジラも新しいといえば新しいのだが、別にこれがゴジラである必然性は全くないし、そもそも怪獣が存在することの意味づけが弱い。
ただし、その辺は気にせずに見ようと思えば見られるレベルだし、三部作の一作目で判断すべきことでもない。
問題はストーリーよりも映像にある。
今時珍しくもないトゥーンシェーディングで作られた「アニメ風」のCG映像、どこかで見たようなメカ、どこかで見たようなゴジラ、無駄に細かいだけのメリハリのないのっぺりした風景。
メカは色々細かく動くが、人の表情は口以外ほとんど張り付いたように動かない(動かせない)から、体のいい人形劇レベルにしかなっていない。
更に最悪なのは、そういう技術的な制約を演出でカバーしようとした形跡すらないことだ。
後半になるとかなり改善されるのだが、少なくとも前半は虚淵玄が作ったストーリーを段取りに従って進めているだけにすら見えてくる。
そういう欠点が相互に作用しあって、物語のスケール感を見事に殺してしまった。少なくとも、劇場の大画面での鑑賞に耐える作品ではないと思う。
ゲームとして作って、見る者を強制的に作品世界に参加させた方が面白い作品になったような気がする。
コメントする