手紙は憶えているのレビュー・感想・評価
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恐怖の旅。
劇場予告でいつも思っていたのが、こんなに分かり易いサスペンス
もないよなぁということだった。どこかに意外性があるのだろうと
観に出かけたが、確かにラストはビックリ、劇中の家族共々呆然と
なるに違いないがそれ以外の意外性は全くない。予備知識を持たず
観たとしても、冒頭から流れる不気味な音楽に不気味な演出が復讐
を盛り上げるだけでなく「そういうことだよね」と納得さえいくほど。
もうこれは、復讐に辿り着くまでの老人の葛藤劇(記憶との)である
と豪華なキャスト陣の演技を観ていくのに決定。怖いから緊張する。
ただ思うに、手紙だけで旅を続けるにしては認知症の具合が重すぎ
る気がしてならない。あそこまで記憶を失い一人旅ができるものだ
ろうかと心配半分、ウソだろ半分という感じだった。彼らが生きた
過去の壮絶な歴史は美しい風景と優しい人々(怖いのもいるけど^^;)
によって忘れ去られていきそうだが、いや、そうではないと現実に
引き戻されるラストがやはり一番の恐怖。憶えてしまうよ怖すぎて。
(こんな風に生きた人も多かったのだろうな、きっと。やりきれない)
REMEMBER
「記憶」が鍵を握るミステリーは「メメント」を例に挙げるまでもなく数多くある。この「手紙は憶えている」は、認知症の主人公が登場し、彼の頼りない記憶を類寄せるような形で、物語が紡がれていく。これがなかなかうまく機能していて、サスペンスを上手く盛り立てていた。
ストーリーは連作短編小説のように、4人の標的を渡り歩く。その一人一人がチャプターになっているかのよう。さらに、その相手ごとにアウシュビッツの歴史の一側面がそれぞれ見えてくるような、そんな感覚があり、人間の業や罪深さや危うさみたいなものがドラマティックに描かれていて、ミステリーとしてだけでなく、人間ドラマとして残るものがあった。
「記憶」と一概に言っても、薄れてしまう記憶と決して消えることのない記憶があり、また無意識に蓋をして仕舞い込んだ記憶、というのもある。そういった種類の違う「記憶」という概念を上手く使って作った良質な映画だった。
クリストファー・プラマーがまた巧かった。記憶を失ってしまう演技も、記憶が蘇る演技も、記憶違いを信じ込む演技も、そして現実の中で行動する感情の演技も、すべてが素晴らしくて、物語の牽引者としての存在感と役者としての偉大さに感動すら覚えた。
ナチスのしたことの残虐さは、歴史的に根深い後遺症を残して、それは今も続いているのだということを改めて思う。映画を最後まで見て、原題「Remember」というシンプルなタイトルがやけに心に響いてきた。
ゼブとマックス
二人の出会いを想像すると、ゾクゾクするものがある。
マックスの用意周到さに比べて、ゼブはわかっているのかな?て所もあり、大丈夫?かなとハラハラして観ていたが…
銃を使いこなす、犬に怯える、ナチ信奉者に自分がユダヤ人という、元収容者の同性愛者をハグするなど、後から考えるとゼブの出自はよくわからない。
ワーグナーのピアノ曲あたりからどんどん⁇になってきたが、最後の結末もそうくるかーと⁇⁇
結局、マックスが自分の本当の名前も戦争中の事も忘れ果てた仇にもう一人の仇も一緒に始末させたってこと? きっとそうだ
ゼブはユダヤ人のフリをしているドイツ人?
う〜ん…? 認知症になって出自がバレそうなのだけれど、固く思い込んでいるということか??
意外にもアクションシーンが見所
奪われた家族の復讐者として悪を倒す映画と言えばタフガイによるハードなアクション(大爆発もカーチェイスもあるよ)が定番といえるでしょうが、敵も味方も後期高齢者でアクションもままならず劇中の真剣さに反して笑いを誘うのが本作の特徴です。ありがちな巻き込んでしまった子供を助ける為にヒーローが奮闘するシーンも反転して、苦境に陥ってしまう自分を助けてくれる存在として登場します。
また厳しい物忘れが物語の重要な要素として登場しますが、そのネタバラシのシーンが予告編にあるために容易に最後が予想できてしまう他は、最後まで楽しめると思います。予告編が悪い(本編は悪くない
老人ホームで知り合ったアウシュビッツの生存者ゼヴとマックス。70年...
老人ホームで知り合ったアウシュビッツの生存者ゼヴとマックス。70年前に家族を惨殺された復讐を果たすため、マックスが立てた計画通りにゼヴはかつてのナチの監視人を探す旅に出るという話。ゼヴが認知症を患っているので旅の途中で何度も目的を忘れてしまい、その都度マックスが書いた手紙を読んでは旅を続けるというユーモラスさと、その都度自分の妻が亡くなっていることを繰り返し知らされるというさりげない残酷さのコントラストが印象的。
復讐譚であることを忘れるくらいホノボノしているので油断して和んでいるとじわじわと雲行きが怪しくなり、いきなり訪れる意外な展開に、えっ!?と怯んだ後にさらに転がる驚異のクライマックス・・・これはやられました。傑作です。
未だ未だ終わらない!
アウシュヴィッツの出来事はいつまでも人々の心に残っている。
この作品がアメリカではなく、カナダとドイツの合作であることは少々意外でした。
自分の手は汚さずに復讐を成し遂げたユダヤ人の執念に脱帽。
原題Rememberの方がインパクト強い!と思いました。
オチが予想できたとかそんなのは
どうでもいいことです。
それ以外にも見所はいろいろある映画です。
途中の警官の家での不穏さの演出……あそこは本当に素晴らしいですね。
オチが予想通りだったというところで止まってる人は、あれがナチ狩に疑問を呈する結末であることを捉えているのでしょうか?
せめてそこまで見て欲しいものです。
やっぱりそう来るわけか
妻が死んだことを覚えていないほど認知症の進んだアウシュビッツ収容所の生き残りが、友人から託された手紙を手がかりに、アウシュビッツ収容所で家族を殺したナチス兵士を探す物語。
重度の認知症で、友人の書いてくれた手紙だけが全てと言う過酷な状態で、よくゼブは任務を完遂しましたねぇ。お約束どおり、手紙に書かれていることを失いそうな出来事もある上に、あまりにも認知症の症状も酷いので、一時はどうなるのかと思い、ドキドキしましたが。
結末は、キャッチコピーに『ラスト5分の衝撃』とか、『すべての謎が解き明かされるとき、あなたの見ていた世界は一転する』とかあったので、「まさか、そういう事?」と思っていたんですが、意外や意外(?)、予想の通りでした。途中、そう言う伏線も無かったし、ナチに対する恐怖も示していたので、「あれ、予想が違ったのかな?」と思ったんですが、そうではありませんでした。
ルディ・コランダーの正体もそうですが、それを除いても、ラストシーンは衝撃です。家族の目前での出来事ですからね。その事件を伝えるニュースシーンで「家族は、呆然としています」と言うようなニュース音声が流れていましたが、そりゃそうだよね。
いやぁ、最後のマックスのセリフ、姿が怖かったですね。目的のためには手段を選ばないと言うやつですが・・・。
狼
認知症を患う妻を亡くした老人が、老人福祉施設の同居人が書いてくれた手紙を頼りに、アウシュビッツで殺された家族の仇を探し旅に出る話。
なかなか仇には会えず、繰り返し訪れる認知症による混乱と、手紙による復帰に少々冗長気味になるけれど、ラストは何とも衝撃的で持っていかれた。
原題の方が良かったかな。
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