「只々、武将達がカッコ悪く、救いが無いと言う映画です。」関ヶ原 YAMA13579さんの映画レビュー(感想・評価)
只々、武将達がカッコ悪く、救いが無いと言う映画です。
只々、武将達がカッコ悪く、救いが無いと言う映画です。
歴史は好きなので、公開された時に、観に行こうと思ったのですが、レビューが悪かったので、テレビで観る事にしました。
想像以上に悪かったです。時間を返してほしい。
全体像・相関・陣立・経緯のポイント、本当に全ての描写が足りない。
しかも時間に会わせた登場人数の絞り込みも出来ていない上に、呼び名がコロコロ変わるetcで、この時代の歴史を知らなければ、ストーリーがほとんど解らない仕様になっています。
にも関わらず、ストーリーに不要なシーンはなかなかに多い。
さりとて史実に忠実でもありませんから歴史好きが喜ぶ映画にもなりませんし、原作に忠実でもないのでストーリーが解ったところで、ストーリー的に面白い映画でもありません。
でも、この作品の問題点は、そんなレベルじゃないんです。
ともかく、武将達が只々 クズか無能でカッコ悪い。まるでそれがこの映画のメインテーマであるかのようです。
先ほど記載した、ストーリーに不要なシーンの多くが、クズっぷり、無能っぷりのシーンなのです。
そして、取って付けたような『大一大万大吉(一人が万民に、万民は一人に尽くせば、天下は幸福になる)』
良い言葉がですが、こんな超々マイナーな言葉を大して説明もせず、メインテーマにしても意味がないでしょう。
また、主役の石田三成すら、それを体現できていないので、心に刺さる訳でもないし、説得力もありません。
ですので、延々とクズと無能達が目的と理由のハッキリしない大騒ぎをして、結果として、救いのない世の中が始まるといったラストで終わる映画になっています。
ストーリーが解り辛いだけに、ほぼ全ての武将がクズか無能であるイメージ、救いのない世の中が更に悪くなるイメージ、そんなイメージのみが伝わってくる映画でした。
一緒に見ていた家族は、気持ち悪いと言うことで観るのを止めまていました。
ところで、この時代ってそんな時代でしたっけ?
「信長」「秀吉」「家康」は、戦国時代と言われる内乱で疲弊していた日本を統一、平和で安心な日本(当時としては)を作った立役者達ですよね。
一人では達成できず、三人がかりでの達成しましたが、
①織田信長、日本統一事業を開始し、軌道に乗せた。
②豊臣秀吉、信長の後を継ぎ、日本統一を完成させた。
(日本統一の前に信長が殺された為)
③徳川家康、統一日本をシステム化し、永続化させた。
(秀吉の統一は力づくで不安定、その死後、日本は、また分裂しかけた)
と、いった所。
彼らの統一事業で、争いが多く安心できない戦国時代から、平和な江戸時代(海外ではmiracle peace と言われる)になった。
そんな時代ですよね。
彼らに瑕疵がなかった訳ではないですが、偉大な事を成し遂げた事は確かで、そんな彼らの時代だからこそ、この時代は人気があると思うのです。
この映画が曲がりなりにもヒットしたのは、演者と映像と宣伝の力だけと言ってもよいのではないか?
そう感じるような映画でした。
ストーリーが面白ければ、歴史物で連続ヒットも狙えたのでしょうが…
歴史好きとしては、只々残念です。