劇場公開日 2017年8月26日

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「出来は決して悪くない。しかし長い。」関ヶ原 ALLORAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5出来は決して悪くない。しかし長い。

2017年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

原田監督がずっとやりたがっていたチャンバラ映画。
その初めてのチャンバラ映画を「関ヶ原」でやると言う。
個人的には原田監督の映画は好きなのだが、この監督、自分で脚本もやっちゃうものだから、自分の撮りやすいように原作内容を変えちゃう(苦笑)。

関ヶ原って史実として誰もが知っている内容であり、原作も有名。
原田監督が上手く脚色している事を願い映画館へ…。

観終わった感想は「出来は決して悪くないが長い」だった。
重厚感が半端ない。
この監督、お金のかけ方が上手いというか、予算の適材適所への分配が上手いなぁと、常々思っていた。
今作は重厚感を出す為に衣装に力を入れているのがありありとわかる。
今回は今までの原田映画の中で一番予算が掛かっているんじゃないかな?

ただ、やっぱり脚本が原作とかけ離れている部分が多かった(苦笑)。
これを「司馬遼太郎原作の関ヶ原でござい」と言われたら拒否反応を示す人は少なくないだろうなぁ…。
でも、変な脱線じゃなく、大筋へ向かう為の脇道を通っている感じだから、話が破綻しているわけではない。
破綻はしてないが、当初二部作の予定の映画を無理やり一本にまとめたので、ここ端折るのかよ!って部分は正直有る。そして長くなりすぎた。
後、原田監督らしい台詞回しは今回は鳴りを潜めてる。ちょっと寂しい気もするが、題材が題材だけにしょうがないか。

(官兵衛と言われればそうなのだが)岡田君の演技は素晴らしいし、役所広司はやはり最高の役者だった。東出君はいい味を出し、小早川を見事に演じていた。
女優陣も(所作は正直…だけど)有村架純は可愛いし、中越典子、伊藤歩は時代劇にこんなにも合うのかとビックリした。キムラ緑子さんってやっぱ上手い!良い俳優さんが原田組には沢山居る。素晴らしい演技だった。

※蛇足だが、今回東宝と手を組み、原田監督はマジにアカデミー賞を狙いに行ったんじゃないか?という気がしてならない。
なんだかなぁ〜って気持ちが消えずにいる。

ALLORA