「お子様向け、”インターネット警告”どまりの緩さ」NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
お子様向け、”インターネット警告”どまりの緩さ
なんとなくエヴァの"NERV(ネルフ)"を想起させるが、ナーヴは意訳すれば、"度胸比べ"。エスカレートしていく指令と賞金で、アソビから命がけの挑戦へと過激さを増していく展開。
オチもきれいだし、よくできているとは思う。ただ、こういった仕掛けの映画は珍しくない。
高額報酬に参加者のゲームが、ネット中継されているという意味では、ドラマの「ストロベリーナイト」(2010)や、「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」(2010)みたいだし、視聴者数によって殺人ペースが早まる「ブラックサイト」(原題:Untraceable/2008)の類似品に見えなくもない。
設定は、SNSやビデオチャットが当たり前の、ティーンエイジャーが抱えるリアルなネット環境にアップデートされている。ドローンや個人スマホが中継カメラになり、ゲームはネット生中継される。タッチパネルディスプレイでのフリック&スワイプ。指紋認証、スマホ同士をぶつけて連絡先を交換する"Bump"(すでにサービス終了だが)、端末の個人情報や決済情報のハッキング、GPSも駆使する。
主演のエマ・ロバーツは、ジュリア・ロバーツの姪だけあって、ふとした瞬間の表情が似ている。相手役のデイブ・フランコは「グランド・イリュージョン」のトランプの人。彼も俳優ジェームズ・フランコの弟だし。この作品はハリウッドのファミリー映画か。
LIONSGATE作品だからというか、最近「ハンガーゲーム」や「ダイバージェント」シリーズなどのヤングアダルト作品が多い同社なので、究極の過激シーンはなく、全体的に緩い。ターゲット的に、お子様向けのインターネット警告どまり。でも、「グランド・イリュージョン」みたいな軽いノリが好きならいいかも。