劇場公開日 2016年12月23日 PROMOTION

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MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間 : 特集

2016年12月19日更新

あなたはマイルス・デイビスを知っていますか? 
ドン・チードルが〈初監督&主演〉マルチな才能を開花! 
栄光のはざまに埋もれた“ジャズの帝王”の知られざる空白の5年間

「ホテル・ルワンダ」のドン・チードルが初監督作に選んだ題材は、マイルス・デイビス
「ホテル・ルワンダ」のドン・チードルが初監督作に選んだ題材は、マイルス・デイビス

「ジャズの帝王」マイルス・デイビス生誕90年&没後25年のメモリアルイヤーに、彼の半生を描く初の長編劇映画「MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間」が、12月23日より全国公開される。「ホテル・ルワンダ」「アベンジャーズ」の名優ドン・チードル初監督作にして、熱演を繰り広げた渾身の一作!


「ジャージー・ボーイズ」「バード」名匠イーストウッドの領域に“あの名優”が挑む 
監督・主演・脚本・製作ドン・チードルが、今《帝王の素顔》を明かす

仕草や声色、トランペットの演奏まで本人そっくり! チードル渾身の演技に驚く!
仕草や声色、トランペットの演奏まで本人そっくり! チードル渾身の演技に驚く!

映画ファンを魅了し続けてきた名優にして、アカデミー賞受賞経験を持つ名監督。「ジャージー・ボーイズ」「バード」という傑作音楽映画を生んだクリント・イーストウッドが立つ偉大な領域に、新たな男が足を踏み入れた。「ホテル・ルワンダ」でアカデミー賞主演男優賞ノミネートを受け、アカデミー賞作品賞に輝く「クラッシュ」にもアンサンブル・キャストの一員として出演、そして「アイアンマン」「アベンジャーズ」シリーズのマーベル・コミック大作にヒーロー役としても名を連ねる名優ドン・チードルが、監督・主演・共同脚本・製作の1人4役で挑んだのだ。「MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間」は、チードルがどうしても作りたかった映画。足りない製作資金をクラウド・ファンディングで募り、実現にこぎ着けた念願のプロジェクトなのだ。ジャズ界の巨人であり革新的プレーヤーだったマイルス・デイビスのキャリア空白期に焦点を当て、マイルスの音楽と人生、そして真実に迫った史上初の長編劇映画だ。

マイルス役のチードル(左)と、音楽誌記者役のマクレガー(右)のコンビに注目
マイルス役のチードル(左)と、音楽誌記者役のマクレガー(右)のコンビに注目

演技巧者チードルが、ささいな仕草や口調、ハスキーな声色までを完全に再現した、渾身のマイルス像には目を見張る。さらにはトランペットの特訓を積み、堂々たるプレイを披露している。行動をともにするローリングストーン誌の記者・デイヴ役には「トレインスポッティング」続編も控えるユアン・マクレガー。傑作を届けてきた実力派俳優の共演に、映画好きは熱くなることは確実。

70年代後半を主軸に、過去と現在(そして未来も?)が交錯する異色の構成
70年代後半を主軸に、過去と現在(そして未来も?)が交錯する異色の構成

音楽映画と言えば、史実を基にミュージシャンの半生を時系列順に追っていく形式が主流だが、本作では活動休止中だった70年代後半「空白の5年間」を物語の中心に据え、マイルスの回想(幻想?)として、カリスマへの階段を駆け上がる50~60年代やキャリア絶頂期の姿を交錯させる。そして、ただ事実を追うだけではなく、マイルスのカリスマ性を基にイマジネーションを膨らませ、現実と虚構を混在させる斬新な構成となっているのだ。

迫力のトランペット演奏シーンはチードル本人によるもの。特訓を重ねて臨んだ
迫力のトランペット演奏シーンはチードル本人によるもの。特訓を重ねて臨んだ

マイルスに対して並々ならない思いを持つチードルが手掛けただけに、音楽面のクオリティにも驚かされる。マイルスがさまざまな時代に生んだ名曲の数々を全編でフィーチャーするだけではなく、チードル自身のプレイによる迫真のライブシーンは圧巻。現代のジャズ・シーンをけん引するグラミー賞ピアニスト、ロバート・グラスパーや「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でドラムを響かせたアントニオ・サンチェス、そしてマイルスとともに演奏をしていた生きる伝説ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターなど、豪華アーティストによる共演は見逃せない。

大切なマスターテープを取り戻せ! 70年代バディアクションの風味もあり
大切なマスターテープを取り戻せ! 70年代バディアクションの風味もあり

本作は単なる音楽映画にとどまらず、クールでファッショナブルな70年代を舞台にした「バディムービー」であることも見逃せない。悪徳プロデューサーに盗まれた、命と同じくらい大切なマスターテープを、マイルスと記者のデイヴが取り戻そうとする姿が、スリリングなアクションとサスペンスで描かれるのだ。ギャングスタ―映画さながら銃をぶっ放し、カーチェイスを繰り広げる姿はどこまでが本当なのか?と好奇心をくすぐられる。


生誕90年&没後25年──マイルス・イヤーに誕生した初の映画化 
カリスマ不在の現代だからこそ輝きを放つ帝王の“生き様”が、今、最高に面白い!

マイルス・デイビスとはいったい何者なのか。既存のジャンルやスタイルを軽々と打ち破り、ジャズにとどまらず音楽の歴史を語る上で絶対に欠かせない存在となった革命的なカリスマ──マイルス生誕90年であり、この世を去ってから25年が経つ今、彼の生き様が再び脚光を浴びている。

「空白の5年間」だけではなく、スターダムにのし上がった50年代のシーンも登場
「空白の5年間」だけではなく、スターダムにのし上がった50年代のシーンも登場

熱烈なファンに対しては今さら語るのもおこがましいが、己のスタイルを貫き、老いることなく新たな地平を求め続けたマイルスの姿は、現代に生きる我々に大きな刺激を与えてくれる。絶大なインパクトを誇る破天荒なカリスマの生き様を、本作で目の当たりにするしかない。

音楽シーンを席けん。独自のファッション・センスも注目を集めた
音楽シーンを席けん。独自のファッション・センスも注目を集めた

とにかく「カッコ良くあること」にこだわったマイルス。ファッション面でも独自のセンスで人々を引きつけたが、本作でもそのこだわりを語るシーンが登場。敵地に乗り込むというのにウォークイン・クローゼットにデイヴを伴い、「好きなのを選んでいい、服装にはこだわれ」とさとすのだ。ファッションはセンスであり、どんな時でも自分を表す主張なのだ。

破天荒なだけじゃない。孤高の求道者のように音楽に向き合う姿も描かれる
破天荒なだけじゃない。孤高の求道者のように音楽に向き合う姿も描かれる

常に新しい音楽を求め、安定した場所に執着せず、未知なる場所へ進むことを怖れない。いくつになっても変化し続ける生き様に、誰もがひかれるのは間違いない。「ジャズ」ではなく「ソーシャル・ミュージック」と自身の音楽を呼んだのも時代を先取りしていた。

とにかくカッコよくあれ。自分から発せられるすべてに誇りを持った希代のカリスマ
とにかくカッコよくあれ。自分から発せられるすべてに誇りを持った希代のカリスマ

「ファッション」や「理念」にも通じるが、自分らしさに誇りを持つこと=プライドにも大きくこだわった。未知の分野への挑戦は、確固たるプライドがあればこそ。劇中に登場する「俺から生まれるものは、すべて俺のものだ」と音楽の所有権をレコード会社の重役に主張するシーンからも、その強い気持ちが伝わってくる。


映像、音楽のプロも推奨する「年末年始の1本」
代官山 蔦屋書店コンシェルジュは、なぜ本作をすすめるのか?

本作とマイルス・デイビスについて熱く語った代官山 蔦屋書店・及川亮子氏
本作とマイルス・デイビスについて熱く語った代官山 蔦屋書店・及川亮子氏

映像、音楽のプロフェッショナルから見て、本作はどのような価値を持つ映画なのか。「ミュージックソムリエ」の資格を持ち、リスナーのニーズに合わせて最適な音楽を提案している代官山 蔦屋書店ジャズ・コンシェルジュの及川亮子氏が本作を鑑賞し、感想を語った。

映像と音楽が一体! グルーブに酔いしれろ!
映像と音楽が一体! グルーブに酔いしれろ!

「今まで音楽映画というもののほとんどを見てきたつもりですけど、自分の中ではベスト1か2に入ると思います」と言う及川氏。既存の音楽映画については「俳優さんがミュージシャンを演じるのはなかなか大変だと思うんですが、そこで、自分のイメージや聞いている音楽とちょっと違うよね、と思うことが多かったんです」と述べ、「(この作品では)それが頭に浮かばなかった」と断言する。

「音楽の使い方も良かったと思いますし、『音楽で一番大事なのはグルーブ』とよく言うんですけど、グルーブしてない音楽はカッコ良くないと思うんですよね。映画全体がグルーブしてましたね。目が離せないって感じでした」

マイルスに詳しくなくても、印象的なシーンとともに「あのメロディ」が心に残る
マイルスに詳しくなくても、印象的なシーンとともに「あのメロディ」が心に残る

全編にわたりマイルスの音楽が採り上げられ、ドン・チードル自身による演奏シーンも数多く登場する本作。「ゴッドファーザー」や「ひまわり」など、70年代のクラシック映画も愛するという及川氏は、「映像が見えない音楽は印象が薄いというか、エネルギーが感じられないというか、私にとっては風景やシーンが浮かんでこない音楽は、記憶として残らない事が多いです」と、映像と音楽の結び付きの重要さを強調する。そして、マイルスの音楽をよく知らない人でも「細かい曲名までは分からないかもしれないですけど、『あのシーンではあんな曲が流れていた』って、印象に残るんじゃないかと思います」と続けた。

「マイルス・デイビス」をよく知らなくても、本作を見る資格は充分
「マイルス・デイビス」をよく知らなくても、本作を見る資格は充分

「ジャズ」と聞くと、どこか敷居の高さを感じてしまう映画ファンも多いだろうが、「意識しないでいても耳に染みついていると思いますよ」と及川氏。「昔と違って、今はスーパー・マーケットでもジャズが流れていますし、J-POPでもちょっとカッコイイなと思うと、ジャズのエッセンスがほとんど入っています。知らず知らずのうちに、実はジャズは浸透しているんですよ」と言う。

また、ジャズを題材にしたコミック「BLUE GIANT」(小学館)の人気や、雑誌「POPEYE」での特集記事についても触れ、ジャズ・ブームが到来していることも明かした。及川氏も「マイルスの晩年の音楽はロック、クラシックの要素も全部入っていますから、すべての音楽につながっているんです」と話すだけに、「ジャズだから……」と構える必要はないと言えそうだ。

撮影現場でモニターをチェックする主演兼監督のチードル。熱い思いが伝わる
撮影現場でモニターをチェックする主演兼監督のチードル。熱い思いが伝わる

そして、「マイルスの映画だけど、マイルス、マイルスしていない。そこに逆に映画を作った人たちの、本当に彼を愛してるんだなという意図を感じました。あまりに彼を帝王化、神格化してしまうとトゥーマッチになっちゃって、作り話っぽくなり過ぎてしまうと思うんですけど、あまりカリスマ的に取り扱わず、ひとりの人間して描いているのが良かったです」と、伝記映画にはとどまらない、「映画」としての間口の広さを指摘。文字通り、「音楽は詳しくないが、マイルス・デイビスの名前は知っている」人にこそ見てもらいたい作品だという思いを明かした。

人種や宗教を超えた「人間」も描かれる作品が、見る者を幸せにする
人種や宗教を超えた「人間」も描かれる作品が、見る者を幸せにする

さらに及川氏は、本作の見どころについて、見終わった後「ハッピーになれる」点だと続ける。

「色んな映画を見ていますが、最後にあのようにハッピーになれる。しかもあの終わり方は“個人だけ”がハッピーになる終わり方ではなく、映画の中の人に加えて、見ている人も“みんな”が良かったなぁと思える終わり方です」と明かし、「それでも復活して、また音楽の中心にいて、前進し続けるという物語を楽しめると思います」と力を込めた。

マイルスは人種差別に対して批判的な姿勢を取り続けたことでも知られるが、本作にはマイルス自身がいわれのない差別を受けるシーンも登場する。

「彼が黒人だったというのも、(映画にとっては)すごくよかったのかもしれません。人種や宗教を超えた“人間”としての描写もありましたね。年末年始にみんなが幸せな気持ちになりたいと思う時期に、人ってこうあるべきだよね、人種、国籍をも超える音楽のパワーを、マイルスらしく、ヒップに示してくれた映画だと思います」

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