MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間のレビュー・感想・評価
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ドタバタありカーチェイスありの異色のジャズ映画
ジャズ界の帝王マイルス・デイヴィスの伝記映画でドン・チードルが主演&初監督。チードルはチードルにしか見えないが、監督としての攻めっぷりはかなりのもの。
題名の通りマイルスが表舞台から姿を消した5年の隠遁期がモチーフだが、描かれるのはわずか一昼夜の出来事。ユアン・マクレガー扮するフリー記者と一緒に、消えた宅録テープを追ってNY中を駆けずり回るのだ。
偏屈ジジイのマイルス大先生と頼りなげな笑顔なら天下一品のユアン記者のバディムービーでもあり、スコセッシの『アフター・アワーズ』みたいな不条理コメディでもあり、クライムアクション的要素まで飛び出すのだからおよそ万人が想像するジャズ映画とはかけ離れている。
それでもマイルスの天才性が愛嬌たっぷりに浮かび上がり、興味の扉を開いてくれる。そしてあるキャラがマイルスの若き日の姿であると知ると、すべてが摩訶不思議な一夜の夢のようにも思えてくるのである。
Jazzと呼ぶな
フュージョンからのヒップホップ
上級者向け。ジャズじゃない、ソーシャルミュージックだ
いきなりゴキブリがカサカサ
マイルスデイビスの楽曲を知らないと、いつの時代の話なのかも分からない(70年代後半が舞台だとか)し、これが史実かどうかもはっきりしない。
ドンチードルが監督・主演・共同脚本・製作を兼ねている。これが初監督とは思えない出来。分かりにくいのはあくまでマイルスデイヴィスの事を知らない自分に問題があるのだと思う。
息を吐くような声が印象的。
トランペットを吹く姿が様になってる。ラストのセッションシーンは大物ミュージシャンが沢山セッションしているとか。分からないのが悲しい。このシーンだけはドンチードルの生音なんだとか。
マイルスデイヴィスは過去を振り返らない、常に前を向いて革新的であり続けたかったということか。
ジュニアのモデルは誰なのか?
どっちもジャンキー
70年代のマイルスは駆け抜けて、抜け殻になったのか。過去を引きずり...
永遠なれ
演奏者と記者がテープを巡って騒動を起こす話
マイルスについては曲を聴いたことの有る程度の認識、ジャズの帝王ってこと位しか知らなかった。
この作品を通して彼の事が少しだけ勉強になった。
主演と監督を務めたドン・チードルの熱意が伝わってくる演奏と演技だった。
ジャズに詳しくはないがとても上手だと思った。
マイルスがドラッグに溺れる前の仲間たちと曲を作り上げる場面での真剣な表情
、スランプ?休養中?のギラギラした感じの表情などとてもよかった。
真面目な役が多いチードル、天才肌で破天荒なマイルスとの相性はあまりよくないのではと
心配していたが杞憂だった。
記者役のユアン・マクレーガーも「トレイン・スポッティング」を思わせる半端者ジャンキーで懐かしかった。
やはりユアンは一般ジャンキー代表みたいな役が似合うと思った。
最後のテロップが意味するものは、正に「偉大なアーティストが死なない」と言う事をダイレクトに伝えてくる。
確かに彼の曲は永遠に残るだろう、と同時に彼も永遠に生き続けるんだと胸に染みた。
これから彼の曲を聴くときはこの映画を思いだす事だろう。
劇中セリフより
「進歩の無い音楽は退屈だ、後に戻るな」
第一線で活躍する者は前しか見ない
後戻りも必要と考えるのは自分が凡人だから?突き抜ける事の出来ない人間だから?
憧れてもいいし目標にするのもいいかも知れないが、マネしないようにと思った。
ラストで解決。
ジャズ界の帝王が´70年代後半に表舞台から遠ざかっていた期間を
彼の大ファン?だったらしいドン・チードルが映画化した異色作。
ほとんどが妄想おぼしき創作系のアクション場面で満載なのだが、
彼がその当時腰痛・ドラッグ・妻との別れに苦しんでいたことは
よく描けている。空白を埋めるべくエピソード満載に盛り込んだ
感があるためテーマがぼやけてくるが、またしても巻き込まれ系
キャラを恐々とした目で演じているユアンが面白い。未発表音源
を巡る攻防が延々と続いたのち、ラストで大物とのセッションが
見られるのはオマケつきというお得感がある。それだけに本編が…
(映画ファンは「死刑台のエレベーター」を聞きたくなりますね~)
題材として力不足なのかも
マイルスファンとして
マイルスについて知りませんでしたが楽しめた!!
マイルス・デイヴィスよりもドン・チードルが前に出る。
ドン・チードルが監督・脚本・主演・製作と、精力的に作り上げたこの映画。確かにチードルの気合と気概が漲っているというか、本当にチードルが映画作りに注力したのがよく分かるような、そんな創作意欲をスクリーン全体から感じるようなエネルギッシュな作品ではあったのだけれど、映画としては、そういった気概が若干空回りしたというか、演技も演出もチードルの「力み」みたいなのを感じずにいられなかった。
特に演出面ではなかなか凝ったことをやっており、分かりやすいところでは場面転換など、少々気取ったような演出が目立つのだけれど、そういう小細工めいた演出が多すぎて次第に鼻について煩くなってくる。チードルの気合を入れた初監督作品だけに、やりたいことが多すぎて、いろいろと詰め込み過ぎてしまったのかなぁ?という感じ。やけに気取った演出がかえって映画の主題をぼやけさせ、この映画を通じてマイルズ・デイヴィスの何を描こうとしたのかが伝わりにくくなったのではないかと思った。演出は映画を飾るためのものではなく、物語を伝えるためのものであってほしかった。
ユアン・マクレガーとの関係も、特別なきっかけもなく親しくなり、何の感慨もなく切り捨てるだけで、いまいち掴みどころがない。新作を作らないマイルスと過去の回想を交互に見せてはいるけれども、そうすることで何を対比させているのかも見えにくい。物語の一番の盛り上がりが、マスターテープを探し出すドタバタだなんて、少しも満足がいかない。
作品から、映画の作り手側の創作意欲はびんびんに感じられるのに、マイルス本人の音楽に対する思いや創作意欲に対する考察が影を潜めてしまって思え、全体的に、チードルの情熱が強すぎて、ただチードルに独善的なだけの映画に見えてしまったのが残念だった。
ドン・チードルに千点
ポール・マッカートニーがいまだに元気にカニエ・ウエストなどとセッションしても、いまやビートルズを知らない世代が音楽ファンの多数派となった現在、マイルス・デイビスを映画にしようなど、ドン・チードルは?と思いますが、観てみたらさらに疑問なストーリー。なんと架空のお話しだそうです。映像としては危なさと自主映画みたいなぎこちなさが入り雑じる複雑な雰囲気ですが、ドン・チードルが脚本を書いてマイルス・デイビスを演じたということが奇跡と思うしかないでしょう。なにしろマイルスは自分の音楽をポップスより売りたいと深刻に悩んで、結果として理解しがたいが魅力のある音楽を残していったことは事実ですが、そのエピソードが多少なりとも語られることは音楽ファンにとって、貴重な経験に他なりません。
エンディングが何気に良かった
マイルスのディスコグラフィの如く、めくるめく映像が絡み合った映像で、時間軸も複雑。一瞬でも気を抜くと、置いて行かれそうになるのでは、と思ったけれど、結末やマイルスという物語はもはや見えているようなもので、複雑とは言えそれほど難しい作品ではなかった。
内容の全てが事実なのかどうかわからないけれど、仮に大部分が創作だとしてもマイルスという人物像を良く表現していたように思う。実際のマイルスがどうだったのか知らないけど、間違いなくこんな感じ、と何となく納得させられた。
あれはビル・エバンズ?ホレス・シルバー?まさかコルトレーンじゃ…これハービーなわけないよなぁ…などなど色んな面でも楽しめた。
そしてエンディングにはハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、アントニオ・サンチェスなどの本物のパフォーマンスなどを見せてくれて少し感激したし、中央のドン・チードル演じる?マイルスが本物のように見えてしまって、いいものを見せてもらったなぁという気持ち。
ソーシャルミュージックだ。
映画音楽がかっこいいハチャメチャムービー
意欲作には留まらない出来
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