「フィリップディックの原作を読んだ後にこの映画は封切りで見た。八千代...」ブレードランナー 2049 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
フィリップディックの原作を読んだ後にこの映画は封切りで見た。八千代...
フィリップディックの原作を読んだ後にこの映画は封切りで見た。八千代のTOHOシネマだった。金曜日の仕事帰りのレイト・ショーの様な物だったので、大分寝てしまった。今日が初見と言っても良いかもしれない。ラ・ラ・ランドの俳優が出ている事は覚えていた。さて、
女長官が言う
『この社会は壁で仕切られている。その壁がなくなれば、社会は壊れる』この言葉だけで、誰が間違っているか先ずは分かってしまった。
プレジャータイプの話が少し出てくるが、所詮、この領域の技術は『南極3号』の域は脱していない。つまり、物理的男性に於ける性の処理の域を脱していないと言う事で、生物の初期の欲望なのだと思う。女性を含めた生きる哲学はそんな単純なものではないと言い換えられる。『さまよえるオランダ人の妻』の例えはもう語り尽くされた。
ルドガー・ハウアー演ずるレプリカントは雨の中で死を迎える訳であるが、フィリップ・ディックの描くアンドロイドもその運命をたどっていると思う。つまり、電気で動くアンドロイドは夢を見ることが出来ない。たから、この映画の様に奇跡は哀愁を帯びたもので終わるのだ。つまり、所詮、その夢は作られたもので、奇跡なのである。そうでなければ人間の未来は無いのだ。この映画の結論は原作に対するアンチテーゼとして評価する。作られた夢に対する結論だと思う。大変に残念な事だが、レプリカントには生殖能力はないのだから、この娘も人類の後継者ではないし、例え後継者であっても、物理的な男性の存在がなければ、人類の流れは途絶える。つまり、人類は滅ぶのだ。2049年の運命がそうであるならそれはそれで良いとは思う。
愛の無いAIに未来は無い。手塚治虫先生の火の鳥 宇宙編を想い出した。この映画もある意味に於いて傑作だと思う。でも、男のヒゲ面はやめてもらいたい。何しろ汚い。