ちょっと今から仕事やめてくるのレビュー・感想・評価
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心を解き放つ
工藤阿須加は去年の北川景子主演のテレビドラマで初めて見た俳優で、真面目でお人好しな青年を好演していた。この作品でも同じような青年サラリーマンを演じていたが、テレビドラマよりも深刻な職場で、その分だけ内心の葛藤や心の闇のようなものを出していた。去年より一皮剥けた印象だ。
福士蒼汰は、キムタク主演の「無限の住人」での演技があまりにも冴えなかった反動なのか、この作品では見違えるように生き生きと演じているように見えた。この人の魅力はやはり弾けるような笑顔で、破顔という言葉がこの人ほど似合う男性俳優はいないだろう。
黒木華は相変らず演技が上手だ。職場の力関係を意識しつつ、正気を保つために綱渡りのような生活を送るOLの複雑な内面が伝わってくる。
小池栄子も役柄をそつなくこなしていた。この人は美人で頭もよく、演技も上手い。女の愁いや秘めた狂気みたいなものが備わってくれば一段上の女優になるだろう。
吉田綱太郎がエキセントリックな上司を怪演するブラック企業は、現代の日本ではもはや当たり前に遍在する企業の典型だ。人格を平気で否定し、人前で罵詈讒謗を浴びせて心を砕く上司や社長はたくさん存在する。個人的にも何人も知っている。男もいれば女もいる。その連中は例外なく人格破綻者である。本人の人格が破綻していないと、他人に強く当たることはできないからだ。日本は謂わば、人格破綻者たちが上に立つ、人格破綻者のための国家であるとも言える。
そういった人格破綻者は高圧的に人に命令し、人格を破壊することで上に立つようになる。良心をもった人間は人を傷つけることに躊躇するから、彼らに逆らえない。村八分という言葉に象徴されるように、日本は現代でもムラ社会で、個人の尊厳よりも組織の大義名分が重視される。プライベートの約束を破っても、仕事だからという理由なら許されることが多いのも、そのためだ。憲法は基本的人権の尊重を謳っているが、いまだに基本的人権を尊重しない人間たちばかりがいる国家が日本なのだ。
ブラックな企業にしがみついていなければ生活できない社会は、勿論まともな社会ではないが、世の中にまともな社会というものがあるのかと世界を見渡したとき、先進国のどこにも希望を見出せないことに愕然とする。
ホッブズが著書「リヴァイアサン」でいみじくも指摘したように、この世界が万人の万人に対するたたかいであるなら、善人はもはや生きていけない。それではいけないと民主主義がはじまったのではなかったか。善人が悪人に勝つための心の強さを獲得するのは至難の道だ。しかし悪人の社会から逃げるのは、すこしだけ心を解き放てばできる。
どこまでも善人の二人の青年が、こだわりを捨てて心の自由を獲得することに、爽やかな感動がある。とてもいい作品だと思う。
歯磨き粉のCMのような爽やかな二人
福士蒼汰くんの関西弁が耳障りだし、主役の二人の演技が上手くなくて、開始早々に「ああ〜〜、見る映画失敗した〜〜!」と思ったのが第一印象。
思い切って、映画では関西弁にしないっていうのもありだったのではないかと思ってしまいました。
だけど、2時間のうちに慣れました。
気が付けば、そんなの全然気にならないくらいに、すっかり映画の世界に引き込まれていました。
むしろ、この二人のキャスティングはナイスだったのではないかと、今では思っています。
読んだ原作と設定を変えている部分があるのですが、それはそれで良かった。
青い空、透き通る海。
この景色が美しいから爽やかな気分になったのではありません。
主人公の工藤阿須加くんが前に進むことができたから、清々しい気分になりました。
自分が知らない世界がまだまだある。
そう思わせてくれる設定として、あの場所を選んだのなら、とても共感できます。
過労自殺。
他人事ではありません。
まともなことが考えられなくなってしまう。
過労だけの問題じゃないな。
自殺を考えてしまったというすべての人々に、死のうとする前のたった2時間だけでも費やして、この映画を見てもらいたいなと思いました。
「ちょっと今から仕事やめてくる」
印象的な題名で、それだけでも興味が湧きます。
うまいと思いました。
原作も映画の方も、意地悪く言えば、まだまだ未熟な感じがするけれど、だけどそういう点も若い二人にぴったりな感じがして、好感が持てました。
他の方のレビューを見て、たくさん「頑張ろうって思った」っていうのがあって、いいぞいいぞ、こうやって広がっていけ。
こうやって映画が人を救うことができるかもしれないんだ!って思いました。
2017-27
仕事で東京出てきた20代は、泣く😩
主人公に自分を重ねてしまい、終始共感と涙でした。
予告編でもあった、お父さんが言う、「たまには母さんに電話してやれ、くだらない用事ばっかり思いついてお前に電話してるんだ」のシーンは本当に号泣してしまいました。
たまに帰ると、歩いて家まですぐなのに絶対迎えに来てくれるお母さん。
東京に帰る日は、電車が見えなくなるまで見守ってるお母さんを思い出して、もう涙腺崩壊です😭
てかわたし、かなり早い段階から主人公に共感しまくって泣いてましたね。
就職氷河期になんとか希望の職種に就職したものの、思ってたよりハードで、ゆとりゆとりと言われ。
でも辞めるわけにもいかない。
なりたい!と地元を出て東京に来たっていう建前もあるし、やめて何すんの?何ができんの?っていう不安もあり。
あの頃もがいていたなぁって思い出しました。
工藤阿須加のファンなので贔屓目で見ちゃうのですが、素晴らしい演技だったと思います。
あと森口遥子さんの優しい笑顔が、お母さん!って感じで心に響きました。
今も帰り道、コブクロの歌が脳内で流れて、また涙目です。
絶対見るべき!
スッキリ
いい意味で
老若男女問わず見てほしい。
関西弁なめんなよd( ̄  ̄)
予告でのコブクロの"心"が、沁みたので観ましたが・・・
まず福士くんの関西弁が、ネイティブじゃないので、こっぱずかしくて移入出来ず(^^;
彼をキャスティングするなら無理に関西弁にする必要性ないし、関西弁に拘るなら適役は他にいると思いますが・・・
内容的には今っぽいんでしょうが、理不尽まかり通る世代に育ったので、吉田さん演じる部長よりなのかも(笑)
ただ石の上にも三年って言葉あれど、会社や上司に合う合わないを見極めるは大事って部分・・・
この作品が、伝えたいのはソコなんでしょうね。
でも自身の信念と目標がなければ、世の中そんなに甘くない。
キャッチコピーの"全ての働く人が共感して泣けた"ってありますが、ウルっと来たのは、エンディングのコブクロの歌声と歌詞だけでした(^^;
☆3
生き方は一つじゃない
自分は一つの会社に最後まで勤めることが当たり前と言われて育った世代。会社を辞めることは逃げることだと言われた。
映画の嫌な部長と同じ考え方だと気付いた。
そうは言っても、もし辞める部下がいても、あの部長のようにはならないけど。
映画の中で、山本が、自分の人生は自分のためと自分のことを思っている人のためにあると言う。
施設の園長の小池栄子が少し涙ぐんで、隆にありがとうと言う場面があるが、自分もなぜかぐっときた。
それは自分のためではなく、大切な山本のためにありがとうと言っているのがわかったから。
人は人との関わりで変われる、変わることができる。
そして生き方は一つではなく、いつからでも変えることができると、この映画は教えてくれた。
感動しました。
現代版ショーシャンク
泣けた・・・
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