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グリーンカードを持っていても強制送還されることがある。スコットランド移民の社会問題提起かと思っていたら、過去のドラッグ所持が明るみに出るほどのダメ男の物語だった。アメリカに残りたいという信念は、実は単に帰る場所、迎え入れてくれる家族がいないという過去が徐々に明かされていく。
UKバンドとしてアメリカで売れる前の事件。ギタリストのラクランは兄のジェドに麻薬を勧めてしまい、それが原因でジェドは死んでしまった。家族にも仲間にも申し訳が立たないほど悩みながらも、日中は農場従事者として働き、夜は趣味で「フレームアウト」という番組のDJをこなしていたラクラン。誰が聴いているのやら、完全に自己満足の世界。内容は悲劇的な死を遂げたミュージシャンの紹介番組だ・・・
“Calfornia Solo”というのはバンド解散後にラクランがソロで作った曲名。故郷に帰れずに、孤独の中で歌った曲だが、正直言って魅力がない曲・・・ロバート・カーライル本人が歌っているのに訴えてくるものがなかった。
飲酒運転で捕まり、強制送還のピンチ。雇った弁護士もあまり有能ではなかったのが災いして、5000ドルだとか1万ドルだとか、強制送還を免れるためには多額の金がかかってしまう。そして、最終的には彼を必要としてくれる人物の証言が求められるが・・・元妻、10年間会っていない娘に頼るのだが・・・といった展開。終盤におけるラクランの決意は良かったし、愛用のビンテージものギブソン・レスポールを手放す清々しさ。そして娘もバンドでギターを弾いていると打ち明けられたときのうれしさは伝わってきた。
○ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン、マーク・ボランなど夭逝したミュージシャンのエピソードにうんうんと頷き、それよりも一番の悲劇は自分の兄ジェドだったという話。しかし、最も悲劇的だったのはモーツァルトだったと紹介するくだりは意外だったなぁ・・・