劇場公開日 2017年11月3日

「もっと壮大な話かと思ったら....」ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 星のナターシャさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0もっと壮大な話かと思ったら....

2017年11月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

何のために料理を作るのか?
そこを見失ってしまった主人公が
幻のレシピをめぐる真実を追うことで、沢山の人々に触れて
「何のために」に気づかされて行く話。

料理の映画だけに美味しそうなシーンも多く、
役者陣もいつもの見慣れた思った通りの役と演技で
普段あまり映画を映画館で観ない人に向けては
観やすい映画だと思います。
西島秀俊はちょっとこだわりの強い役が相変わらず似合うし
安定の宮﨑あおいが涙を誘うね〜〜。

で、月に10本ほど映画を観る中途半端な映画好きとしては
主題は良いのだけど、戦争中の話が大きな謎として出てきているので
正直、もっと壮大な話かと思ったら
予想外に小さなところに帰結していて、あらら〜〜〜
この小さな話をここまで大仰に仕立てあげた
スタッフ方々の手腕に拍手!(笑)

二宮くんのラストの表情、表現、そこはとても良いのだけど
あの表現は料理人ではなく、
懐かしい味に出会った時の「人」としての素直な表現。
演技的には良いと思うんだけど、
その素直な表現を採用した編集が結果、
この映画は「小さな話」だった
と言うことを強調してた様に感じてしまう。

言ってみれば「この世界の片隅で」と正反対に思えた。
あちらは日常の本当に些細な出来事から、
戦争や原爆というものの恐ろしさや理不尽さへと
どんどん広がって行くのに
「ラスト・レシピ」は国家の陰謀や軍隊の暴走の恐ろしさから
どんどん小さくなって
結局、一個人の物語に終わってしまって、
大風呂敷を広げた分、なんとも尻すぼみで物足りない!!

にしても、宮﨑あおいは映画に出る時、
カメラを持つのがお約束になってるのかしら(笑)

★もう一度観るなら?「無料で」(地上波で充分)

星のナターシャ