「時代に翻弄された人々が繋ぐ人間の絆」ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 のぼのぼさんの映画レビュー(感想・評価)
時代に翻弄された人々が繋ぐ人間の絆
予想とは違う、想像よりもはるかに良い作品でした。
ポスタービジュアルは料理の鉄人が今にも闘いを挑みそうな仕上がりになってましたが、「天才料理人」や「絶対味覚」といったキーワードの印象にあまり引っ張られない方がよさそうです。
見る人によって物語の顔が変化する(本質的な流れに気付く)ポイントが異なる作りになっていると思います。
それに気付いた瞬間にパズルのピースがはまって、物語の意味がまるで変って来る構造。
キャスト陣も好演。満州パートの兼松さんが秀逸です。
料理の手つきも台詞回しも、個人的には一番驚きました。
現代パートの二宮さんは受けの芝居に徹していますが、ラストでこの映画をすべて収束させる主役の働きをしています。
このラストシーンのための映画と言っても良い。
やや強引な展開になっている部分もありますが、丁寧に作られている良作です。
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