「描かれない悲劇を想像して、勝手に苦しくなる」サバイバルファミリー 二ノ前さんの映画レビュー(感想・評価)
描かれない悲劇を想像して、勝手に苦しくなる
友人からのおススメ
電気もガスも水道も、スマホも電車も何も機能しなくなったら…?
現代的な家族が自給自足でサバイバルしていく映画かと思いきや
殆どロードムービーだし「日本沈没」とほぼ同じ展開になる。
自然をやりくりする描写よりも、いかにその時々で生き延び、どう駆け引きしていくか
人間模様の方がずっと目まぐるしく続くストーリーだった。
「ダンス・ウィズ・ミー」の監督だったために結構コメディを期待していたんだけど、ないに等しいかな。
暴動で人が死ぬとかや災害で傷つくとかはないしせよ、その表現を避けるが故に勝手にその先を想像してしまって苦しくなってしまった。
家族中心に話は進むけど、その道中で出会った夫婦は?赤ん坊は?犬は?
水はない、食料もない、ならあの人たちは…と余白の中に死を彷彿としてしまう。
設定に無理があるとかはもうご愛嬌じゃない?
家族が危機に見舞われたら、そこを誰かが偶然通りかかり助けるのは当たり前のこと。
別に無理やりの展開とは思わない。映画だし。
実際半年以上も復興しないことなんてないのかな?とは思ったけど、太陽フレアじゃないにしろサバイバル生活を余儀なくされる状況は来ないとは限らないよね。
川の水は飲まない、雑草はだいたい食える…サバイバル知識0の状態から1ぐらいにはレベルアップできた作品なのかもしれないな。
後半にかけて人との出会いによって徐々に本来のサバイバル映画っぽくなってきて
井戸、釜戸、いまでは古い様式の技術に感謝するシーンがあって人間本来の生活を体感でいた。
いくら現代技術が発展しても古いモノの良さが失われることはないんだよな、埋もれてるだけで。
ラスト世話になった人に会いに行くとかしてほしかったな…
それにしても電車は動かない、会社も開かないのにどうにかしてでも仕事しようとする日本人の行動が一番恐ろしかったよ…?