「ご飯を頬張り梅干パクー!に思わず生唾‼︎」サバイバルファミリー だいきつさんの映画レビュー(感想・評価)
ご飯を頬張り梅干パクー!に思わず生唾‼︎
矢口監督の作品は
劇場では初鑑賞。
特に見たい映画は無かったが
バースデー割引がある2月だったため
とりあえず見とくか、的な選択。
いわば「消化試合」的な選び方だった。
が、それがなかなかの当たり!
予告編からは
かなりコメディー寄りの作品の
雰囲気が出ていたが
それだけに終わらず
考えさせられるシーンもあり
ほろっとくるシーンもありで
最後まで飽きずに見終わることができた。
家族の成長(変化)もよかった。
小日向&深津の夫婦は言わずもがな、
特に、兄妹の成長に引き込まれた。
お兄ちゃんが意外と冷静で
ここぞという時に頼りになる。
悟り世代ナメんな!とでも言うように
バッテリー補充液を飲料水として代用。
そうなんや!初めて知った。
今時のJKを演じる葵わかな。
大きく深呼吸して
スイッチをONにしないと
教室には入れない。
そんな女の子が
弱さに潰れそうになりながも
母親譲りの「天然」パワーで
成長していく姿に見入った。
岡山の農家で久しぶりの
「御馳走」にありつくシーン。
お兄ちゃんの食事シーンは圧巻だった。
(かなりお腹を空かせての撮影だった?)
かきこむようにご飯を頬張り
梅干しを丸ごとパクー!
んー!酸っぱい!でも美味い!
の演技(素?)は生唾ものだった。
豚の燻製にかぶり付きながら
涙する妹。
「なんで泣いてんの?」
「わかんないよ」のやりとりに、
こちらも涙。
個人的には「笑い」と「シリアス」の塩梅が
非常に心地よかった。
爆笑まではいかなくとも
クスッとできるシーンが多々あり
絶妙なバランスで
ラストまで連れていってくれる。
どう収めるか気になってた
エンディングも
個人的にはしっくり来た。
あそこの写真がここに繋がるのね。
エンディングで
「ニヤリ」とできる映画は
やっぱり心地いい。
まぁ、ツッコミどころが
無いわけではない。
途中で出会うロードバイク家族。
あそこまで、
ピンチを楽しむ過剰な演出は不要だった?
加えて藤原紀香のキャスティングは如何なものか。
ナチュラリストから一番遠い女優に
道端の雑草を食べろと言われても
なんの説得力もなかった
また廃墟と化している町の「汚し」演出は
いかにもな「急ごしらえ感」が
画面を通じて出てしまっていて
もう一つリアルさに欠けていた。
CGに頼ることなく、あそこまでの
非日常を作り出せたのだから
もうあと一息頑張って欲しかった。
でも、そんなマイナスポイントを
補って余りある映画だった。
見終わって、劇場を出て
余韻に浸りながら
スマホの電源をON。
メールのチェックをしながら
我に帰って苦笑い。
監督は、まさにこう言う人間に
物申したかったんだろうな。
サービスデーでなくとも
1800円の価値は十分あると思う。