「オーベとソーニャのラブ・ストーリー」幸せなひとりぼっち talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
オーベとソーニャのラブ・ストーリー
このスウェーデン版は素晴らしい。どこどこ大学の卒業証書、ではなくて、オーベはパルバネの強さと賢さを自分の目と頭でわかっている:君は子どもを既に二人生み三人目がもうすぐ生まれる。イランからスウェーデンにやってきて新しい言語も身につけた。それだけ素晴らしい君に車の運転ができない訳がない。
オーベはパルバネの夫のことを悪く言わないし、近所の人もオーベを気難しいと思っていない。几帳面できちっとしてるだけ。過去の辛い経験と生来の誠実で真面目な気質が作り上げた人なんだ。「・・・禁止」のプレートがやたら多い経緯もよくわかったし猫もすぐに家に入れて飼った。車とメカに詳しくて器用な人。若いときのオーベがとても素敵で赤い靴のソフィーは賢く魅力的。二人の身長差もソフィーの教師としての素晴らしさも全部、私達観客に示してもらった。冒頭のホームセンターでの買い物がソフィーのお墓に供える花でよかった。
車競争には笑えた。SAAB vs. Volvo はまだいい。そこにBMWとRenaultが参入したらもう世も末だとオーベは思ったんでしょう。どっしりした建築、家への愛、雪、朝食テーブルにもキャンドル、コーヒーが大事、南の国スペインへの憧れ、権威的な白シャツ野郎達、こういったことはスウェーデンが舞台だからこそ真実味がありました。見てよかったです。
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ニコさんのコメント
2023年4月1日
いいですよね、本作。
そうなんです、最初の買い物が花なのがいいんです。
オーベの人となりが育まれた経緯が丁寧に描かれていて、自然に感情移入出来るところもよく出来ています。
愛らしくて大好きな作品です。