「開き直りが目障り」幸せなひとりぼっち odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
開き直りが目障り
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設定が「わたしは、ダニエル・ブレイク」と似ているので既視感がある、原題も「オーヴェと呼ばれる男」で似通っている、ダニエルの方はバリバリの社会派ドラマだったがこちらは暴走老人と好好爺の遷移プロセスを愉しむコメディ仕立ての感動作狙い。コメディと言っても役者の表情はぶきっらぼうだし言語の壁があるので受けにくい。同じスェーデン車でも丸っこいサーブと四角いボルボは対照的、愛車への拘りが強いのは万国共通かも。
なぜ年をとると偏屈になるのか、若い頃からの軌跡をたどっても人生は人それぞれ、悲運だったからと言って同情はするが誰もが偏屈になる訳ではない、表向きの顔と心の内は違って当然。
冒頭から規則を守れと怒鳴りまくるくせに首つり自殺すればどれだけ周囲に迷惑かけるかなんて考えもしない身勝手さに唖然、一旦感情移入に失敗すると後が辛い。とりなすように過去の悲劇で同情心を募ったり、ほんとは淋しがり屋で優しい心根の好好爺と懐柔してゆく様をいかにもドラマチックに見せてくれるが言葉の壁のせいか風情やニュアンスが伝わってこないし感動作を作りたいという作家の計算ばかりが垣間見えて素直に酔えなかった、かくいう私も偏屈老人の資質には恵まれているようだ・・。
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