「本物が生き続けてゆく強さ・・」たたら侍 kan...さんの映画レビュー(感想・評価)
本物が生き続けてゆく強さ・・
ようやく時間をつくって観てきました。
皆さんのレビューを見ていただけに、ある覚悟をしていましたが、観るものに挑んでくる骨太なテーマですね。最後の最後まで。
権力と、そこに必ず取り入ろうとするもの。そしてそれらに利用されていく技術というか、伝承されてきた本物のいのちと技。
時代は移ろえど、性懲りもなく、人間の性(さが)の餌食になっていく。
しかし、連綿と伝承されてきた技は、その嘘のない光と同時に、人間の闇に繰り返し巻き込まれつつも、しぶとく生き続けてゆく強さがあるのだ。
見終わってみて、誰か突出して、この人、というキャストのことを思う以上に、全体の顔が思い出され、どのキャストもどのキャストも、この映画が伝える織物に、無くてはならない一部である…という感覚が残りました。
時代を運んでゆく、人間の性(さが)。しかしそれをも大きく包んでゆく、決して錆びることのない人間の本質の光が奥のほうから洩れ射してきているように思いました。
こういう本物感を子どもたちにも体感してほしい。子どもは、本物に対して敏感であり、確実に育まれる。わかりやすい感想はすぐには言葉にはできないかもしれない。でも子どもを侮ることなかれ。
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