「自分がこの世界にいたら、どんな答えを出すだろう……?考えさせられる。奥が深い映画。」東京喰種 トーキョーグール YuuuuuTAさんの映画レビュー(感想・評価)
自分がこの世界にいたら、どんな答えを出すだろう……?考えさせられる。奥が深い映画。
グールと呼ばれる人間しか食べられない種族と、人間との争いを描いた映画です。種族という言い方があっているのか……、亜種と呼ぶべきなのか……、はたまた人間と同種なのか……。種族の境目ってどこにあるのかを考えさせられました。漫画が原作の割にテーマが重く、奥の深い映画だと思います。
グールの見た目は人間そのもの。人間社会に溶け込み、身を隠すようにして生活をしています。人間をためらいなくなぶり殺し貪り食うグールもいれば、自らは人間を殺めず自殺した死体の肉を食料にする派閥もいます。他にも幼い・非力などの理由で自ら狩りができず、食料を仲間から分け与えてもらう者もいます。人間のことを嫌っていたり、共存を望んでいたり、関わりを避けようとしていたり。グール内でも人間に対する考え方に違いがあるんです。そういった様子から、人間視点で見たときに、必ずしも敵とは認識しづらく、”共存”に一縷の望みを持ちたい気持ちにさせられました。
しかし、個人的にグールは亜種なのではないかと思いました。理由は特殊能力を使えるからです。オリンピック選手も真っ青なスピードや跳躍、さらには怪力を見せてくれます。しまいには羽が生えたりしてきました笑。ここら辺は漫画特有のSFチックさが出ていましたね。これだけ人間離れした能力を見せつけられて、人間と同種とは捉えずらく、お互いが分かりあうのは難しいのではないだろうかと思います。人間は牛や豚を食べることに抵抗を感じません。生きていく上で致し方ないからです。益ある殺生なんです。グールにとっての殺生は人間。ぶつかり合うのは致し方ない。……ですよね?
ここでポイントになるのが、主人公・カネキです。カネキは普通の人間として大学生活を謳歌していました。しかしある事故がきっかけで半グールとして生きていくことを余儀なくされました。人間以外の食糧を受け付けない身体に恐怖を感じ、人間を食べることに葛藤します。「自分は人間だ」→「もしかしたらグールかもしれない」→「認めたいくないけどグールなんだ」→「グールとして生きていくしかないのか……」。主人公の心境が徐々に変化していきます。(※ここら辺の心境の変化は、主人公を演じる窪田正孝さんの好演があるからこそ、僕らに伝わってくるのだと思います)。しかし、心境は変化していっても、最終的にグールが何者なのか答えは出されていません。人間?亜種?タツキは「ただ、この世界は間違っている!」と主張していました。
見た目はグールも人間も同じ。食べるものが全く違う。これを仲間と思うのか敵とみなすのか。登場人物によって主張が分かれたように、観た人たちでも分かれるのではないでしょうか。僕は前述した通り違う道を歩むしかないと感じました。そうでなければ、自分が食べられちゃうかもしれないし笑。お互いに感想を言い合うと盛り上がりそうですね。見た人に考えさせる映画は、観終わった後も楽しい。良作だと思います。
レビュータイトルに惹かれて来ました✨
私も「グール」なんてゲームなんかでは雑魚的キャラで
深みもないと最初は思ってましたが、原作漫画やアニメで考え変わりましたね。タイトルの理解を深めたいなら、少し難ありの原作を読んで見ると面白いかもしれません。