「人間側にもグール側にも共感できる」東京喰種 トーキョーグール みうらさんの映画レビュー(感想・評価)
人間側にもグール側にも共感できる
評判が良かったので、原作未読で鑑賞。
思ったよりもしっかりした作りに驚きました。
何よりもしっかりしたゴア描写や、生理的に受け付けない嘔吐シーン等々、昨今の日本映画に欠けていた不快なシーンもある程度しっかり映しているのに好感が持てました。
蒼井優のしっかりとした怪演で見事に惹きつけられます。触手で突き刺した後、金木の血を舐めとるシーンは官能的で美しくさえ感じました。しかも、そのシーンもしっかり後の伏線となっているのも嬉しい限り。
また、話も人間側にもグール側にも共感できる部分が多く、考えさせられました。どちらにも家族や大切な人がいてそれらを守るために、もしくは自分を守るために、誰かを犠牲にして生きているのかもしれない。
ヒナミ一家を残酷に虐殺した大泉洋演じる真戸呉緒にも家族がいて、グールに殺されたのだろうと思わせるさりげない演出にもスマートさを感じました。
昨今の日本映画でよくある良いことげな事を大声で叫ぶシーンも随所にありますが、私は考えさせられる内容が多かったように感じました。
CGこそハリウッドにはかないませんが、グロさと種類の多さにワクワクしました。個人的にはもっと肉弾戦ではなくて、グール特有の触手で闘って欲しかった。修行のシーンも不要に感じました。
ただ、ヒナミちゃんのグール化で大泉洋が使っていた武器がお父さんのモノなのだろうなと思わせる演出の良さは非常に良かったです。
原作があり、未完なので、続編があるような終わり方でしたが、個人的には良くまとまっていてしっかり世界観に入り込めた気がします。何よりも東京喰種という作品が好きになりました。
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