「ただただ泣きました」東京喰種 トーキョーグール 桜さんの映画レビュー(感想・評価)
ただただ泣きました
前から好きな窪田正孝くんが主演ということで、原作を読んでから観てきました。
以前から実写化しか映画に良いイメージがなかったので、すっかり原作ファンとなってからは少し不安があったのですが、想像以上でした。
原作に忠実な内容。もちろん微々たる違いはありますがそれも許容できるほどまとまっていました。
つぎに赫子やクインケ。原作のものをより現実っぽくあらわされていました。インタビューによるとカネキの赫子はトカゲ、トーカのはかさぶたイメージだそうです。役者さんたちはCGとは思わせない動きをしていて、本当に赫子を持っているようでした。
徹頭徹尾映像がひたすら綺麗でした。特に東京の夜景や戦闘シーンの赫子は本当にきれいでほれぼれします。
演技の部分でも、映画を観終わっても目に焼き付いているシーンがあります。
まずトーカが真戸と戦うところで「こんな体でどうやって正しく生きればいいんだよ」というところ。このセリフの前の、こんな体でも生んでくれた、こんな体でも育ててくれたとトーカが言っていて、ひどく感情移入してしまいました。これらのセリフを言うトーカの心の叫びがダイレクトに伝わりました。
そして、カネキが最後、亜門と戦うシーン。我を忘れたカネキがけらけらとまるでリゼのように笑うところ。怪演という言葉がふさわしく、人間じゃないみたいでおもわず鳥肌が立ちました。今でも純粋に怖いと思います。またしぐさなどがリゼで、喰種として亜門を食べてしまうのではないかと原作を知っているのに心配で目が離せませんでした。水たまりに映った自分を見て我を戻すところも、必見です
「この世界は間違っている」。亜門とカネキがいうセリフで印象的でした。この映画・原作からはとても重いテーマが投げつけられています。人間を食べる喰種が悪なら、様々な生物を食べる人間は悪ではないのか?お互いの異なる正義を持つ者は分かち合えないのか?考えさせられる物語です。実際に映画館のスクリーンで見てほしい。そしてぜひ漫画も見てほしいです。