劇場公開日 2017年7月29日

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「カネキの喰種マスク姿が、"カッコいい"のが唯一のとりえ」東京喰種 トーキョーグール Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0カネキの喰種マスク姿が、"カッコいい"のが唯一のとりえ

2017年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

まあ、松竹としては全力投球で頑張っているかな。原作からして斬新なオリジナリティのない設定なので、目の肥えたSFファンや映画ファンには"パクリ感"しかないかもしれない。何にも知らない少年少女は喜んでくれるだろう。

「東京喰種」の原作コミック(集英社)は2011年から連載中で、2014年~2015年にアニメ化されている。その世界観や主人公のパラサイト的な誕生は、言わずもがな、金字塔「寄生獣」(原作コミックは1988年~1995年/劇場版2015年)の亜流である。

人間と対峙する同型生物の脅威としては、永井豪の「デビルマン」をはじめ、X-menシリーズもあらゆる社会的な構図を描いている。互いの世界を守る中間的な存在の主人公が悩み、闘う姿もたくさん観てきた。「亜人」もね。

ということで、スレたオトナには楽しめない。なんの新味もない。捜査員の武器の説明くらいはしてほしかった。観客のイマジネーションで補完しなければならないのは不親切だ。

唯一何がいいのかというと、窪田正孝演じるカネキの喰種マスク姿が、"カッコいい"というところ。マネしたいヒーロー像はいつの時代も素晴らしい。もっともっと悩めるダークヒーロー像を突き詰めてくれればいい。続編を作るには動機が薄いか。

大泉洋の使い方はもったいないけど、総力をかけたキャスティングはいい。

そして純然たる映画ファンとしては、やはり清水富美加フォローである。彼女の作品を追っかけるだけで今年は楽しめているので、そういう見どころもある。"信教の自由"はプライベートな事情なので、そっちの看板女優じゃなく、ニュートラルに"女優"としてお仕事を続けてもらいたいものである。

(2017//7/29 /丸の内ピカデリー3 /シネスコ)

Naguy