幼な子われらに生まれのレビュー・感想・評価
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お義父さんかわいそう
やっぱり、離婚て子供に迷惑。
{沙織}
悲しく無いんだよね、
近所のおじさんが亡くなるような感じ。
お母さんが亡くなること想像したら、
胸ガキュウンとなったのに、
お義父さんの時にはならないんだ。
えりちゃんのパパとお友達なんだよ。
教えてくれないなんて水くさいなぁ。
親子なのに。
お父さん、私のパパだよ。
(パパの手を振りほどいて駆け寄る。)
{信}
だってさ、ほんとの親子じゃないからね。
難しいなぁ、恵理子に説明するの。
パパとママにとって一番大事なのは、えりとお姉ちゃん。←沙織ちゃん、どうなるのか❓
離婚した2組の夫婦、片方の男信ともう片方の2人の連れ子薫と枝里子の母奈苗と再婚した。
男の前妻友佳も娘沙織を連れて再婚したが、その夫に最近癌が発覚して余命幾許もない。
女の前夫は、一人暮らし。
信の義娘薫が、難しい年頃の思春期真っ盛りの小6。
最近、信を毛嫌いして、パパじやない、本当のお父さんに会いたい、怖いから部屋に鍵を付けて欲しい、と困らせる。
仕方なく薫の実父に会い、10万円取られながら会う算段を取り付け、鍵もつけてやる。
薫の言う通りにしたのに、
当日薫は会いに行かない。
薫が行かなかったのは?
ステップファミリーで悩んでいる家族や、感謝の念の薄い子に観てもらいたい。諦めそうになる時にも!
後悔する事いっぱいあっても、目の前の問題に向き合うお父さんえらい!!
個人的に好きなジャンルではない映画でしたが、俳優陣も演出も内容も丁寧に描かれていて良作でした。
ステップファミリーならではの複雑な問題と葛藤を率直に描いています。
お父さんは仕事も大変なのに家族を大切にして、思春期の長女の反発や酷い言葉に対してあえて言い返さず、向き合おうとする姿勢心の葛藤が胸を打ちます。
いいお父さんになろうと努力しているのに、認めてもらえず「本物のパパがいい」って言い続ける長女。涙ながらに子供部屋に鍵をつけるシーン。
前妻に「前からそう。理由は聞くけど、気持ちを聞かないのね」と言われた言葉。
直木賞作家・重松清の同名小説を浅野忠信、田中麗奈主演で映画化したヒューマンドラマ。
監督は「幸せのパン」「繕い裁つ人」の三島有紀子。1996年の小説発表時から重松と映画化の約束を交わしていたという、荒井晴彦が脚本を担当した。
血が繋がった家族と繋がってない家族。
主人公田中信(浅野忠信)は斜行エレベーターに乗って通勤、途中に徒歩や電車という移動手段もあるのですが、なぜだか、彼の日常が会社と自宅を往復するだけの世界観にも思えた。信も妻奈苗(田中麗奈)もバツイチ同士での再婚であり、奈苗の連れ子である小6の薫(南沙良)と幼稚園の恵理子(新井美羽)の4人暮らし。信には元妻友佳(寺島しのぶ)との間に沙織(鎌田らい樹)がいて、3カ月に1度面会しているのです。
信が沙織と遊園地で過ごし、帰宅すると薫も恵理子も奈苗が妊娠していることを知っていた。恵理子は妹か弟ができるとはしゃいでいたのだが、薫は不機嫌そのもの。沙織と会っていることも知っていた薫との溝は徐々に深まり、やがて「本当のお父さんに会わせてよ」と口走る薫。恵理子は幼すぎたために信が義父であることも理解していないが、薫は本当の父親沢田(宮藤官九郎)に殴られた経験もあるほどDVの父親だったし、会いたいという言葉もどことなく嘘くさいのだ。実の娘沙織が素直でいい子だったためか、同じ年の薫が思春期であるために本音さえ見抜けないでいた信だった。
家庭での奮闘ぶりはダメ親父というより、真剣に悩んでしまうタイプ。いつかはキレて沸騰しかねないと予想させる。おまけに会社では出向リストに載ってしまい、内勤職から倉庫番と異動させられ、昇給も望めない状況に。家庭と会社の鬱憤を一人カラオケで晴らそうともするが、根本的解決にはならず、薫と沢田を会わせる考えに向っていくのだった。
元現とも夫婦の関係が脆いところや、子ども目線にならないと確執は改善しないところなど、注目すべき点は多い。ギャンブル好きになってしまった沢田のダメっぷりも、落ちるとこまで落ちてしまったと感じるが、料理人という定職も持っていたりする。いざ会わせようとセッティングした時には着慣れないスーツを着たり、プレゼントを持っていたりするが、これも与えてしまった10万円が資金となったのだろう(やっぱりダメ男でしょ)。もっとヤバいのは信の方で、50万円を渡して薫を引き取ってもらおうとためらったシーンにはオイオイと呟いてしまいそうになりました。
一方では、元妻友佳の再婚相手の教授が41歳という若さで末期がんと診断され、余命わずかという状況。友佳からは「理由ばかり聞いて、気持ちは聞かない」となじられ、沙織からは「血のつながらない義父の死を前にしても悲しめない」と打ち明けられる信。大団円の前には必ずディザスターが来るかのごとく、突如豪雨となって、危篤となった義父のもとへ行かねばならない沙織。車で送ろうとするものの、車の中には奈苗と恵理子がいたのだ。ぎくしゃくした人間関係が“友達”というキーワードでまとめられる、巧い構成だった。
最終的にはすべての人間関係が上手くいきそうな予感をさせるので、ホッとさせられました。ストーリーそのものは普通な感じだし、大学准教授になったキャリアウーマンがなぜ沙織を引き取ったのかもわからなかった。しかし、役者の演技が皆すごい!一番良かったのは奈苗も一人カラオケを楽しんでいるシーン。
【2017年11月映画館にて】
最後まで見入りました
浅野忠信の演技が素晴らしい!
田中麗奈に子ども堕ろして離婚しようって言うところ。
あそこのキレ具合。上手すぎて物凄く説得力がある。
人ってキレたとき、あんな風になるように思う。
ツギハギだらけの家族。
とてもリアリティがあって、良い作品だと思います。
繕い繋ぐ家族
これまた家族について考えさせられる秀作だった。
ほんわかした作品が多い三島有紀子監督だが、これほどズシリと響く作品を手掛けるとは…!
中年サラリーマンの信は奈苗とバツイチ同士で再婚。妻の連れ子の二人の娘とも平穏に暮らしていた。
慣れない仕事に異動になるも、妻が妊娠し、一見幸せそうに見えるが…。
幼い次女は可愛らしく、なついている。
でも次女には、血の繋がりの無い父親である事はまだ話していない。もう少し、大きくなったら…。
問題は、長女。
妻の妊娠が分かった途端、反抗的な態度を取り始める。
いや、それならまだいい。
あからさまに継父を嫌悪。全くの赤の他人のおじさんのように見る。
さらに、本当の父親に会いたいと言い出し…。
長女は大人びた小学6年生。子供から少しずつ成長し始めている時期。
この時期の女の子の心情なんて自分には分かる筈もない。が、
もう幼い子供じゃないんだから、母親が再婚して、新しいお父さんが出来て、血の繋がりは無いけど新しい家族になった事は分かる筈だ。
なのに、この反発は何なんだろう。
やはり血の繋がりの無い赤の他人のおじさんと一緒に暮らしてるのがイヤなのか? それとも、そんな他人のおじさんと母親の間に子供が産まれる事が許せないのか…?
そんなに、前の本当の父親が良かったのか…?
否!
本当の父親はDVを振るい、父親の資格も無いような男だった。
長女もDVを振るわれ、まだ幼かったにしてもその事は覚えてる筈だ。
なのに、そんな父親に会いたいと言い出す。
何だかんだ言ってやはり血の繋がりある本当の父親だからか、それとも継父が嫌いでただ意地を張ってるだけなのか…。
信は長女に本当の父親を会わせる事は反対。事情も知っているから。
が、その事を長女に咎められる。
自分は自分の本当の子供と会ってるくせに、と。
長女との関係、妻との関係、仕事の不満、さらには前妻にもある悩みがある事も知り、これからもう一人子供が産まれてくると言うのに、守ってきた家族にヒビが…。
信の心労は計り知れない。むしろ、よく堪えていると思う。
普通、あんなワガママな長女を一発ビンタしてもいいくらいだ。
が、信は口では強く注意しても絶対に手を出さない。
本当の父親にDVを振るわれた事も知ってるし、手を出したらそこで終わりだ。
それ以上に、血の繋がりは無いけど二人の娘の事を本当の娘のように何より大事に思っている。
でも、それでも時々会う本当の娘とつい比べてしまう。本当の娘はこんなに素直でいい娘なのに…。
妻も時々面倒臭い。何かと頼ってくる。
自分一人に何もかも解決出来る訳が無い!
いよいよ遂に爆発してしまう。
子供を堕ろし、別れようと提案する。
信がそれを言い出した時、胸が痛くなった。
と言うのも、信が前妻と別れた理由が、前妻が勝手に子供を堕ろしたから。
それに激怒した信がそんな事を言い出すとは、どんなに疲れ果てていた事か…。
つい、妻を突き飛ばしてしまう。
それを見て、長女は嘲笑する。「やっぱり、同じ…」
この家族に、再生は…
このタイトルから、新しく産まれてくる子が、家族を繋ぎ止めると予想していた。が、違った。
家族はちゃんと向き合って、問題を解決する。
きっかけは、本当の娘だったんじゃないかと思う。
本当の娘の継父が危篤状態になり、病院まで送る事に。
その時、妻と次女も同乗。次女は知らない女の子に「?」。パパの“お友達”と説明するが…。
またこの時、本当の娘は、新しく子供が産まれてくる事も初めて知り、動揺もする。継父が死に、本当の父親に子供が産まれてきたら、自分は…。
病室まで送る。
本当の娘は悩んでいた。継父が死ぬ事に、涙を流せないんじゃないかと。悲しくても、本当の父親じゃないから。
涙を流した。沢山の涙を。
本当の娘は継父を本当の父親のように愛し、継父も本当の娘のように愛していたのが分かる。
血の繋がりがあっても無くとも、家族の愛情は確かなのだ。
信は次女に、血の繋がりは無い父親である事を打ち明ける。
次女はすんなり受け入れる。
ほら、何も問題ないじゃないか。
問題を作っていたのは、むしろ、自分の方だったのだ。
そして、長女。
本当の父親と会う約束の日。
でもどうやら、会わなかったようだ。
やはりただ意地を張ってただけなのか、会ったって何も変わらない事をちゃんと分かっていたのか。会って楽しかった、なんて嘘をまでついて。
長女はそんな自分に涙する。
信は嘘をついた事に注意しつつ、傍に寄り添う。
別にこれで父娘関係が解消出来た訳ではない。
が、信は父親らしく、長女は娘らしく、寄り添えた。
長女は祖母と暮らす事に。
まだわだかまりはあるが、これからまた向き合っていく事も出来るだろう。
いったん破れたが、繕い直し、ツギハギだらけの家族に、新しい子供を受け入れる準備は出来た。
そして、産まれてきた新しい家族の一人。
皆々の笑顔は、紛れもなく家族であった。
浅野忠信がさすがの名演。あの悶々とした表情、佇まいなど、本当に引き込まれる。
田中麗奈も多くの賞を受賞しただけあって、巧演。彼女演じる母親も本当は疲れ果てていたのだろう、ラストのあるストレス発散に、信じゃないけど思わず笑みが。
彼女の前夫・宮藤官九郎が印象を残す。DVを振るい、長女と会うにも手間賃として金をせびるろくでもない男だが、ラストシーンは本当はそうろくでなしじゃないかもしれないと感じさせてくれる。
そして、3人の女の子の達者過ぎる演技!
にしても、こんな長文に…。
それだけ色々考えさせられ、見応えある家族の話であった!
それぞれの立場によって。。。
監督の舞台挨拶があった。その時に見るたびに感情移入する人が変わってくる、という話があったがまさにその通りだろうな。
再婚同士で妻の方は2人の娘を連れてきている。
分かれた元妻は大学の準教授で末期がんの教授と実の娘と暮らし、
分かれた元夫は米軍内の食堂でシェフをするギャンブル狂いのクズ。
再婚した夫婦の間に子どもができると分かると、同居している連れ子の上の娘の態度が変化してくる。
大きな事件があるわけでもなく、再婚した家庭ならどこにでもありそうなちょっとしたいざこざを細かい心理描写がちりばめられていて自分には相性のよい作品だった。
子どもが生まれて、その後の関係性はどうなったのか想像させる終わり方もよかった。
現代家族事情。
まるで現代の家族事情を絵に描いたような悲喜劇である。
結婚・離婚・再婚時に連れ子は珍しくない状況で、紙面
に躍る幼児虐待やDVの記事を見るたびに、何で母親は
その子を連れ危ない男の元へ嫁いだんだろうと不思議に
思うのだが、自分の幸せを子供以上に望んでしまうほど
母親が愛に飢えていたのだろうと思う。浅野忠信演じる
父親はそんなDV夫とは程遠く地味で堅実な男なのだが、
やたら気苦労が絶えない。元妻との間にできた実娘との
面会時間が唯一の慰めのようになっている様子が切ない。
再婚した妻との間に子供ができたことによる周囲の反応
が彼を追い詰めていく。特に長女の反抗がエスカレート
し彼を罵る場面が延々と続き、彼がいつ娘に暴力を奮っ
てもおかしくない状況に陥るのだが本人は冷静に耐える。
私ならこんな悪態をつく娘にはビンタしてやればいいと
(暴力反対だが)思った。というのは却って長女がそれを
待っているように見えたからだ。父親に自分だけを見て
ほしい、実の娘以上に愛されたい願望がこの子にはある。
義父の彼を試すような申し出をしたのも、そして実際に
実父に逢わなかったのも、長女の気持ちがよく出ていた。
素直に甘えればいいものを、それができない性質なのだ。
勘のいい母親ならそんな長女の気持ちに気付いてやれる
のだがこの母親にそれはない。複雑な想いが八方塞がり
となって義父に注がれている状況。もう浅野が可哀相で
こんな思いまでして家族の為に頑張っているお父さんに
何てこと言うんだ!この娘!と思った大人も多いだろう。
追い込まれた人間の見せ方が巧く、其々の立場で各々の
孤独が伝わるが、しかしそれもこれも自分で選んだ人生
・結婚に違いない訳で、だからこそ苦悩にも共鳴できる。
あのエレベーターの様に斜めに上り下りするのが人生か。
親であることの重責
子供を持つ人であれば、親であることの重責を感じることは何度となくあるはず。
健やかに育ってくれるか、辛い目に遭ったりしないか、将来ちゃんと食っていけるか、そのために自分に何ができるか思い悩むこともあるだろう。
この作品に登場する二人の男親は、まったく違うようでどこか似ている。
よき父親であろうと責任感を持って振る舞っているがどこかぎこちなく空回りする男と、親の重責を負うことができない自分に絶望してそこから逃げ出した男。どちらも、何かちょっとしたきっかけで愛情表現をちゃんと伝えられそうなのに・・・という辺りをフラフラしている。
誰しも、自分は親として完璧だとまでは思ってはいないだろう。だからこそ、親としての在り方にもがくこの二人の男の姿を観て心が痛み、モヤモヤとしたものが残るのだと思う。
また、自分のキャリアを阻害することになるので子供を産みたくないと言う女性も登場するが、これも重い。
苦渋の選択をして、それが本当に正しかったのか悩み続けている人は多いであろうし、そもそも女性ばかりが何故その選択を迫られるのかという話にもなってくる。これを解決するにはまだまだ時間がかかるだろうが、少なくとも今できることは、夫が妻の思いをちゃんと理解してあげられるかどうかだ。本作では、これもひとつのキーとなっている。
親の在り方、夫婦の在り方、そんなことを少し立ち止まって考える機会を与えてくれた本作に感謝したい。
大人と子供が友達になる事が親子なのかも。
離婚経験者同士の再婚家庭で、妻の連れ子2人と妻と夫の生活。
そこに妻と夫の子ができる。
夫は妻の連れ子1である長女が反抗的になってきており、実子の誕生を素直に喜べないが、妻は無邪気に義母(夫の母)や連れ子たちに吹聴する。
夫は元妻の下で育つ実子(娘)に会えることが唯一の楽しみとなっている。
連れ子長女は、実父に会わせろとせがむ。
まあ、そんな話です。
連れ子次女が、終盤あたりでえらいおしゃべり達者やなーと思ったのですが、大河ドラマの直虎の子役の女の子でした。この子が6才役ってまあ・・・と思いました。そら達者なはず。実年齢10歳くらいじゃね?結構前に撮影してたのかもしれませんが。
あと、だめな大人がはまりすぎるクドカンに切なくなりました。DVとか縁遠いタイプなのにすごくそれっぽく見えて、お上手ねと思うと同時に、かっこいい大人の姿みたいよ、と思いました。まあ、脚本家・監督として大変かっこいいので役者はかっこ悪い路線でいいといえばいいのですがね。
主人公・信は、嫌いなタイプです。仕事で旧姓を使う妻を嫌がり、仕事やめて欲しい的なことをゆうたり、勝手に堕胎した事を怒り(それは分るけど)、子供できたら困るからと中だしを拒否する妻を無視して射精したりする男です。妻とは専業主婦か仕事はしてても家庭優先で、夫の世話が生きがいでなくてはならなくて、当然夫である俺様の苗字を使うことに喜びを感じて、俺様の子供を生み育てる事が何よりの喜びであるべきだという、あれです。うげー、きもい、むり、だいっきらい。なんですが、この映画では信に切なさを持ってみてしまいました。
元妻との回想部分では、元妻(寺島しのぶ)に分るよという気持ちでしたが、現妻(田中麗奈)との生活は信さん頑張ってはるよ、という気持ちでした。
現妻が自分でものを考えられない依存型の人なので、うっとうしいのです。
ななえはうっとうしいという元夫(クドカン)の意見にうなずいたらあかんけど、信は多分心の中で同意していたと思います。
うん、あれはうっとうしい。
でも、ななえこそが信が望んだ女性そのもののはずなんですね。専業主婦で、夫の世話大好きで、夫の苗字を使用し、夫の子供を産み育てたがる。望んだ女性像を得て、改めて考えると元妻の美点がよく分かってしまう。ああ、人生とは思った通りには運ばない。
家族、父親、夫。こういった役割を示す名詞にわれわれは踊らされている気がします。その名詞に色々と科せられた役割を果たす使命があるかのごとく。
そんな使命はないし、プレッシャーを与えられたならば、無用な干渉だと切り捨ててもいいはずだと思います。
信の実子さおりが、信との関係を聞かれて咄嗟に友達だといいました。私はそれが1番ふさわしいと思いました。親子の前に友達でいいじゃんって。大人と子どもがちゃんと友達であること。大人が子供に迎合するような、子供っぽさが揶揄される友達親子じゃなくて、互いに誠実でいて尊敬をしあう仲。大人の役目は、人間関係の築き方のOJT。その実践が保護者と被保護者の関係の築き方。どうだろうか。
夫婦関係は、、、、わからない。そんな関係築かないし。でもそれも友だちでいいんじゃないのかな。誠実と尊敬、だよね、多分。ただそこに性欲が絡むので私にはうまく説明できなくなるのだよね。尊敬と性欲って共存する?それが理想なんだろうけど共存するの?欲情した相手に尊敬を抱いたことないからわかんないです。だもんで結婚を欺瞞だと思っているのでワカンナイ、です。
奈苗の能天気さが途中腹立たしくなった。 思春期の娘が居るのに、考え...
奈苗の能天気さが途中腹立たしくなった。
思春期の娘が居るのに、考えなさ過ぎだよ。
子供は自分の分身では無い。それぞれの想いや考えがあって当然。
親の都合で環境の変化を押し付けたら壊れてしまう事だってある。
自分の本当の子供では無いのに、どうにか分かり合おうと努力する信の優しさが、思春期の薫には逆に皮肉的で、嫌らしく見えたのかもしれない。
本音をキチンと表現出来ないのが思春期の難しい所。
どう頑張っても上手く行かない事が重なっていく。
そんな時、痛い目を見てしまうのは大体が弱い女性や子供なんだよ。
“また手を上げられた”時の恐怖を奈苗みたいな人には身に染みてほしい。
この人だけは大丈夫、なんて絶対にない。
沢田の待ち合わせのシーン...子供への愛情が無かった訳ではなかったんだ、と思う所。
身なりもキチンとしてきて、薫との懐かしい想い出も話したりして。
でも、きっと、離れて暮らしてるからこその愛情なんだろうな。って思う。
登場人物それぞれの心情が、非常に良く伝わってきて、終盤は涙が止まらなくなっていました。
家族の為に働くお父さん。
妻や娘に毛嫌いされても耐えてるお父さん。
本当に偉いですね。
怖かったけど…改めて、亡き父に感謝です。
とてもよかった
血縁のない父と娘二人で、長女が反発している。次女が父親になついていることにむかつくようで、意地悪を言うのだがそれは弱い者いじめであり、卑怯者のすることだとたしなめてやって欲しかった。
お父さんには、分かれて暮らしている実子の娘がいて時々面会しているのが羨ましかった。分かれた元妻も、感情より筋を優先するタイプのできた人だった。
コップを割った時に田中麗奈が「大丈夫?怪我してない?」と慌てて言う時に「見れば分るだろ、うるせえな」と切れて言い返していたのがとても心に残った。押し付けがましい感じがリアルで、女性のいい面と悪い面を見事に描いた映画であった。
クドカンのクズ男っぷりが素晴らしかった。役者としてこれまで見た中で一番よくて、見直した。長女に対してひどいことしないで欲しいと思っていたのだがきちんと正装して現れたのを見て、この人も人の子であり親だったのかと不意を突かれ、そりゃそうだよなと納得した。素晴らしく人間くさかった。
"親愛なる、よそ者"どうしの不器用な家族関係に唸る
まさに"第41回モントリオール世界映画祭"のコンペティション部門で、"審査員特別賞"を受賞したというニュースが入った。百聞は一見に如かず。この受賞の一報は十分に納得のいくものである。
直木賞作家・重松清原作といえば「恋妻家宮本」(2017)や「アゲイン 28年目の甲子園」(2015)など、ここ3年で4作品と続いている。それも監督や制作会社はすべて別で、その人気の高さがわかる。
重松作品は、いずれも現代社会における家族や人のつながりをテーマにした、"人間ドラマ"である点で共通しており、人物設定が物語の核になっているので、俳優の力量がそのまま出やすいとも言える。それを三島有紀子監督が撮るというので、それだけで楽しみになる。
本作も、夫婦役を務めた浅野忠信と田中麗奈の演技力、3人の子役キャスティングの南沙良(薫)、鎌田らい樹(沙織)、新井美羽(恵理子)の自然なカラミを存分に楽しめる。
バツイチ同士の再婚である夫婦には、妻の連れ子である2人の娘がいる。その4人家族のもとに新しい"命"が宿った。つまり夫婦初の実子である。一方で、夫には元妻のもとに娘(実子)がおり、離婚後も年に数回の対面を繰り返しているが、同居している2人の娘以上に親密な親子関係が継続している。
複雑な気持ちになった長女は、"本当のパパに会いたい"とグレ始めてしまう。さらに元妻の再婚相手が、余命わずかのガンに侵されていることがわかる。
"本当の親になれないオトナ"、"本当の子供になれないムスメ"、"形だけの親でありながら愛情を注ぐオトナ"・・・・不器用な家族関係が延々と描かれるが、飽きさせないテンションで最後まで、人間関係のシビアな課題を突きつけられる作品だ。
ちなみにモントリオールでは、外国語タイトルが「DEAR ETRANGER」(親愛なる、よそ者)と付けられたが、こちらのほうが実にタイトルらしい。しかも、"英語"+"フランス語"という実に日本的な外来語が、カナダ(モントリオール)という地においては、見事にハマったのではないかと思ったりして…(笑)。
(2017/9/5 /テアトル新宿/シネスコ)
胸にせまる
2度目の鑑賞。内容もストーリーもすでにわかっているのに、登場人物の感情がまたぐいぐい胸にせまってきた。それぞれの感情に共感してちょっと苦しくなる。すごくリアルなやりとり。役者さんたちの演技力と監督の演出力が素晴らしい。
主人公の元妻の再婚相手の病室のシーンで、悲しいシーンなのだけれど救われる。血のつながりがなくても家族になりえるのだと。。そこからは前向きなシーンが続き、ほっとする。普段はやさぐれた格好をしている元夫が着慣れないスーツを着ているシーンは切なく愛おしい。
幼子が生まれたあとの続編も見たくなった。
共に生きていく
見応えしかなかった。
ある世代には身につまされる内容の話だった。絶妙に生っぽい。
人物たちが吐露する台詞がイビツな棘のように心に刻まれる。
最初に思ったのが「フィルム?」って事だった。そのザラつい画像が、そこにあってそこに無いもののようで、第三者的な立ち位置を無条件に観客に与えてくれるような気がした。
作品が描いているのは、どこにでもある、誰にでも起こる物事の一部である。
理不尽な正論を振り翳す思春期の娘
娘を夫を愛してやまない母
システマチックな社会
そして、それらの暴風雨に打たれ続ける父。
なんでわざわざこんなモノを突きつけられなきゃいけないんだと、鑑賞中何度も思った。
それ程までに居心地が悪い。
明日は我が身を今、お金を払って体感させられてるようだった。
父に吹き付ける暴風雨は、どれもこれもどうしようもない事柄ばかりであった。
ストレスしかない。
ブチ切れて投げ出しても仕方がないと、男の俺は思う。
作中の彼も、耐えて苦しみ吐き出して、投げ出して…無防備でいられる家庭の中で、裸のまま槍で貫かれてるような感じだ。
ただ、それでも彼は踏み止まった。
そこに何を見いだしたのかは分からない。
人それぞれなのだと思う。
見終わった後の感想は、一緒に暮らし、時間を共有する事の難しさであり大切さであった。家族は家族に成長していくものだと思えた。
この作中には様々な形でイビツな何かが現れる。でもそのイビツな何かは、いずれイビツではない何かに変わっていくのだと教えてくれる。
そこに佇み、放り出さなければ。
地味な映画ではあったが、最後の父が娘の背中に寄せる手に温もりが溢れ、なんだかホッとする。
この作品の小憎たらしい所は、一件落着したようなところで母が「悲しみの果て」を乱暴に歌ってるとこだ。
また、この歌詞が抜群にハマってもいて…。
そのシーンだけで、妻も夫と同じくらいの重圧に、苦しみに耐え、発散していたのだ思える。
脚本の展開も、絶妙で…常に崖ップチを歩いているような感じだった。
言葉の選択をたった一つ間違えば、取り返しのつかない状況に容易に転ぶ危うさの中で進んでいく。
これは、俳優陣のキャラとそのキャスティングによるところも大きいが、技ありな配置であり展開だった。
監督と演者に、拍手喝采!
この作品を選んで良かった。
育ててもらってありがとう
別れた奥さんの相手の臨終に立ち会い
何が言えるだろう。
気まずい時、みにつまされるときの
発言でその人の人間性が
問われると思います。
娘をかわいがってもらって育てて
もらってありがとうございます。。
スクリーンを見ながら、離婚相手の
パートナーへの想定外のセリフに
驚きました。いい人すぎる。
自分がこの立場ならこんなこと
できるだろうか。
言えるだろうか。
全編にわたって、
自身に置き換えた時の想像を
繰り返しながら観ました。
反抗期の再婚相手の子供への対応、
別れた妻との再会時の会話。
どの場面でも、
切れてむちゃくちゃに
なる場面しか
頭に浮かびませんでした。
再婚相手の元旦那も、メンタルが
更正された描きかたでしたが、
あの流れからいくと、
娘にたかったり、借金のかたに
なにかやりそうなものです。
このテーマなら
描かれていた次のステップに
今の世の中の本音があるはずなのに
なにか表皮の物語のようで
それが表現されなかったのが
物足りないです。
心がえぐられるようなものを
どこかで期待していました。
でも、観ながら
どんどん悪化していくストーリーに
もうやめてーとなるので、
娘が元父親に会いにいかずに
収束してほっとしたところもあるかな。
住んだ事ないけれど、
丘を昇降するエレベーターのある
名塩ニュータウンは、
昔ドライブ中に見て知ってて
成功した人が住む街のイメージでした。
作品のなかのような、
意に沿わない仕事をこなして
家族を養う父親の存在があるんだなと
改めて思い直し。。
エンドロールを見ながら
思ったのは、
相手へのリスペクトを忘れずに
おごらずに、自分なりの誠意を
なくさなければ、いつかは
わかりあえるという
メッセージとして受け取りました。
多分 あの家族は大丈夫。
みんなも諦めるなと
伝えている気がしました。
佳作
子供がいる同士の再婚。
揺れ動かないわけがないと思います。
覚悟の上の選択、だったと思います。
でも子供の成長の要素は大きい。
思春期には揺れますよ。
でもこのお父さん、とてもがんばってます。
共感できました。
欲を言えば、お父さんでもお母さんでも良いのですが、薫ちゃんの態度がおかしくなって来たと気づいた時点で、少し話をきいてあげれば良いのにと思いました。
薫ちゃん、ぬいぐるみ開けたところ。2人のパパの思いに少し近づけて、素直に泣くことが出来たね。ここ良いシーンでしたねー。
あと
ここふれるところじゃないかもしれませんが、夫婦間でも子供作りたくないならちゃんと避妊するべき。
(しかも堕胎の直後なんですよね?)
沙織ちゃんみたいな素晴らしい子が出来て育ったのはこの夫婦にとっての宝物ですが。
泣き虫の私ですがあまりなくところはなく、冷静に客観的に観れる映画でした。
それぞれの視点で
札幌のミニシアター「シアターキノ」で鑑賞。
この世界には結婚して家族に恵まれる人もいれば、離婚する人、再婚して新たな家族を持つ人、もう再婚せず独りで暮らす人など、まさに人生いろいろ。
映画ではある出来事で順調だと思っていた家族の歯車が少しずつ狂いはじめ、浅野忠信演じる父親はバラバラのパズルだと感じている。でも実はこの辺りからこの主人公に人間味を感じ、共感できるようになった。
反抗的になった義理の娘の父親沢田に『娘に、お前は50万円で売られるところだったんだぞって言ってやりますよ』と言われた時は、本心を突かれた思いだったのではないだろうか。
でも家族とはそもそもがバラバラのパズルだと思う。人によっては50ピースの簡単なパズルだったり、3000ピースの難解ジグソーパズルだったりもするけど、少しずつ埋めていけば何かの絵柄が見えてくるだろう。
映画を観ていて、家庭を捨て悪態をつく沢田に最も共感してしまう自分が嫌だったけど、後半、久しぶりに娘に会うために現れた沢田の姿には救われた。完成させられなかったけど彼もまたパズルのピースを持っていたから。
登場する俳優の新しい面が観られ、3人の子役たちの演技が光る、家族の絆と再生に感動した映画だった。
家族なんて拗れて当たり前
自分の家庭環境と少し重ねてしまい、リアルに苦しくて結構泣いてしまった。
血の繋がりがあってもなくても子供に優しく、かなり家庭的な父親である信の弱さや怒りが露呈するシーンや、なんかモヤモヤして家族を拒絶することでしか捌け口を見出せない薫にはかなりシンパシーを感じ、辛くなる。
ひどいダメ男の沢田にもちゃんと気を使える心はあって、的外れなプレゼントがまた感慨深い。
人に縋りがちだけど、ごく普通の明るい主婦である奈苗が一人カラオケで思い切りストレス発散しているのを観て安心できた。
一筋縄ではいかない家族の形を、最後少しホッとする雰囲気でまとめてくれて良かった。
斜行エレベーターのある住宅街、あそこはどこなんだろう。ちょっと気になった。
男っていうのは
自分もそうだが、男って盲目的ですね。
この映画を観て改めて気付かされました。
あと、家族という異人たちの集まりがみんながみんな幸せになるって難しいなと。
永遠のテーマですね。
監督の演出、それぞれの役者さんがいい味出してます。
必見の作品です。
身に染みる
観る人のバックグラウンドによって見え方が異なってくる作品かと思う。
浅野忠信の演技はやはり上手い。
長女の背景も色々考えさせられる。反抗期も重なって支離滅裂な主張をしているだけと思いきや、それだけでは無さそうな感じもする。学校生活にも馴染んで無さそうな様子で、色々な鬱憤を一番弱い立場である浅野忠信にぶつけているようにも取れる。
クドカンと再会しなかったところからも、親の離婚は正しいと考えてるようでもあり。
自分の長女と照らし合わせ、仮にあの状況になった時自分は浅野忠信のように冷静でいられるかとか考えてしまう。長女に手を上げてしまい破滅への道へ進んでしまうかもしれない。
離婚は良く無いということは分かりつつ、実際あんな夫や妻だったら別れるしかないとも思いつつ、一体何が正しいのかが分からなくなる。
こういう映画は考えるきっかけになる。何気なく生きている人生を深いものにしてくれる。
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