「それぞれの視点で」幼な子われらに生まれ Akihiroさんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの視点で
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札幌のミニシアター「シアターキノ」で鑑賞。
この世界には結婚して家族に恵まれる人もいれば、離婚する人、再婚して新たな家族を持つ人、もう再婚せず独りで暮らす人など、まさに人生いろいろ。
映画ではある出来事で順調だと思っていた家族の歯車が少しずつ狂いはじめ、浅野忠信演じる父親はバラバラのパズルだと感じている。でも実はこの辺りからこの主人公に人間味を感じ、共感できるようになった。
反抗的になった義理の娘の父親沢田に『娘に、お前は50万円で売られるところだったんだぞって言ってやりますよ』と言われた時は、本心を突かれた思いだったのではないだろうか。
でも家族とはそもそもがバラバラのパズルだと思う。人によっては50ピースの簡単なパズルだったり、3000ピースの難解ジグソーパズルだったりもするけど、少しずつ埋めていけば何かの絵柄が見えてくるだろう。
映画を観ていて、家庭を捨て悪態をつく沢田に最も共感してしまう自分が嫌だったけど、後半、久しぶりに娘に会うために現れた沢田の姿には救われた。完成させられなかったけど彼もまたパズルのピースを持っていたから。
登場する俳優の新しい面が観られ、3人の子役たちの演技が光る、家族の絆と再生に感動した映画だった。
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