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ベン・ハーのレビュー・感想・評価
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べべべ・ベン・ハー
西暦一世紀初頭のエルサレムを舞台に、ユダヤ人貴族の家系に生まれたベン・ハーの半生とイエス・キリストの受難を絡ませたハリウッド歴史大河。
有名なアカデミー賞作品のリメイクだが初見。若かりし頃、レンタルビデオ店でアルバイトをしていた時に、1959年版の2本組のでっかい箱を思い出した。当時はパッケージイラストの仰々しさに引いてしまって、大人になったら観ようと思っていたが、そのまま年を喰ってしまった。
さて、肝心の2016年版ベン・ハーだが、この一本だけで観ても、映画としてのレベルは相当高いドラマだ。ただ開いた口が塞がらないような感動はしなかった。VODで観たせいか、歴史大作なのだが映画ではなく、ネット配信の優良ドラマを観ているようで、ダイナミックさに欠けていた。これは監督や脚本サイドなどの企画の問題だろうか。残念ながら、伝説のベン・ハーではなく、噂のベン・ハーだった。
とはいえ、キャスト、人間関係、世界観、クライマックスの戦車戦も申し分なかった。特にストーリーは、エルサレムの貴族の息子の波乱万丈人生とイエス・キリストまで絡ませる展開は、普通思い浮かばない。このぶっ飛んだプロットだけでも触れる価値あり、2時間チョイでもあるので、気軽に鑑賞されることをおススメいたす。
新・ベン・ハー
第32回
アカデミー賞計11部門を受賞した
スペクタル史劇
1959年版「ベン・ハー」は
3時間半の長編作品で
インターミッションありでしたが
リメイク版は、最新技術で再現し
一気見できる範囲に
ローマ帝国を舞台に
エルサレムの名家に生まれた
ジュダ(ユダ)・ベン・ハーと
その義兄弟のメッサラ
信じるものが異なり
メッサラは
地位と名誉を求めて
ハー家を出て行く。
ローマ軍に入隊したメッサラは
戦い進め 凱旋。
二人は再会を喜び合うが
ローマ支配へ抵抗があるベン・ハーは
メッサラに総督を狙う者達を教えろと
聞かれるが 教えない。
ベン・ハーの家で匿っていた
若者が 通りをゆく
総督に矢を射った為
家族を守ろうとして
自分がやったと告白し
メッサラに
ガレー船の奴隷送りとされる
一番の見どころは
やはり、競技場での戦車競走。
宿命の対決シーンは迫力満点
ベン・ハーが乗る白い馬の登場は
オマージュでしょうか
ベン・ハーに競技場での
行動をアドバイスする族長役の
モーガン・フリーマンが
印象深かったです。
聖書や、絵画に描かれる
ナザレのイエスも登場
チャールトン・ヘストン版では
その後ろ姿しか見ることができないが
リメイク版では、
人間的なイエスで登場するのが
驚きでした。
闘いの末、
ベン・ハーとメッサラの
友情が復活し
家族達もHappyendとなり
良かったのですが
時間的に無理があるのか
もう少し
各状況を具体的に表現されていたらと
思いました。
ラストED曲も素晴らしくて
最初はAdele が
歌っているのかと思いましたが
Andra Dayの
「The only way out」でした。
素晴らしい歌声です。
1959年
いくつもの正義とイエスキリスト
リメイク版にしては良い作品
罪深きリメイク
はっきり言って見る前から期待は最低値。
そもそも59年版は、自分にとって非常に思い入れがある作品であり、今でもハリウッド往年の名作で好きなのは?…と問われたら、すぐ思い浮かべるほど。
別に自分だけではなく、映画ファンなら誰もが疑問に思う筈。
何故、リメイクした?
どんなに現代技術の粋を駆使しても、映画製作の粋が結集した59年版を超える事は天地が引っくり返っても無理。
ガッカリするのは分かってても、やはりどうしても気になるので見てみたが…、その通りだった。
まず、59年版の4時間近い尺を、2時間に縮めた時点でドラマ性の豊かさは消えた。
冒頭、キリスト生誕の件は丸々カット。ベン・ハーとメッサラの関係を簡単にナレで済ますというお粗末な始まり。
その後の展開も駆け足気味。
最も許せないのは、砂漠で喉が渇れたベン・ハーに、キリストが水を飲ます一番好きだったシーンがカットされていた事。別の似たシーンはあったが。
よって、ベン・ハーはどのタイミングでキリストを崇めるようになったか今一つ伝わって来ない。
これじゃあドラマにじっくり浸れもしない。
全体のバランス的に、ドラマよりアクション色が濃い。
初「ベン・ハー」の方や59年版が長過ぎて苦手な方には史劇アクションとして見易くなったかもしれないが…、コレジャナイんだよな…。
きっと作り手は、59年版の戦車競争シーンを見て、現代ならもっと迫力あるシーンが撮れる!と思ってリメイクしたに違いない。
確かに海上戦や戦車競争シーンは最新VFXを駆使して再現。
特に戦車競争シーンは極力CGに頼らず、臨場感と迫力は思ってた以上にあったが、どうも今回のリメイクはこのシーンありきの印象が否めなかった。
宗教色も薄められ、イエス・キリストは顔出しで人間味ある描かれ方。
これらの要素が鼻に付いた方にとってはさらに見易くなっただろうが、ここが本来のドラマの肝だった筈。
同じ時代に生まれ、同じ時代を生きた二人の男。
片や隣人を愛し、片や復讐を糧とし…。
運命とも言える廻り合わせで出会った時、
復讐の果ての赦し、慈愛。
ラスト、奇跡は起こっても、今回あの崇高なメッセージやテーマはあまり感じられなかった。
キャストが揃いも揃ってカリスマ性も魅力もナシ。
モーガン・フリーマンに至っては、何故出た?
1億ドルの巨費を投じた超大作史劇映画を見てるというより、破格のスケールの史劇TVシリーズを見ている印象だった。
59年版とリメイク版は別物、いちいち比べる見方はいけないし、あーだこーだ指摘する自分が卑屈なのも充分承知。
でも、それでも、
ダメなものはダメなんだ!
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