「最後の破壊王(仮)」トランスフォーマー 最後の騎士王 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
最後の破壊王(仮)
破壊王マイケル・ベイ監督の手掛ける本シリーズも
5作目にしてついに最終章だそうで。まぁあくまで
最終“章”であって最終“作”では無く、もろに続編
匂わせるシーンがあるんですが、監督自身は
今回でシリーズ降板を宣言してるんだそうで。
正直そこは半信半疑だが、さておき本作のレビュー。
自分は(世間様からはすこぶる評判の悪い)2作目が
一番好きで、それは1作目では鳴りを潜めていた
ベイ監督らしいウルトラ大破壊が炸裂した映画
だったからである。だが破壊描写に関しては2作目で
行き着く所まで行ってしまったとも感じていて、
アクション面でのスケールアップはしても人物描写や
物語が大して代わり映えしない3、4作目では
(セリフの酷さとギャグの滑り具合は
磨きがかかってきていることもあり)
だんだんと個人的な評価は下がってきていた。
...
さて、今回も色々とスケールアップはしている。
回を重ねるごとに荒唐無稽になってきた物語は、
シリアスになるどころかいよいよ男の子が好きな
特撮モノみたいな展開になってきておる。
アーサー王伝説とかナチスを倒す正義のロボとか
最強の味方が最強の敵として襲い掛かる展開とか
最強のパワーを秘めた杖や剣を選ばれし
英雄の子孫だけが解放できるだとか
ロボが合体してキングギドラになるとか
なんかムチャクチャお金かけたヒーロー特撮
みたいである(まあその点は個人的には構わない)。
アクションスケールと破壊描写はさすがの一言で、
冒頭から物量も火薬量もスゴい中世の戦闘シーンに始まり、
ことあるごとに爆破!爆破!銃撃!爆破!銃撃!爆破!
(ひとつのギャグで車両10台粉砕したりもする)
終盤の○○と○○○○○○○が接触する映像なんて
ホントに見たことない宇宙的大スケールの映像で、
このシーンだけは流石に「おおっ」と目が覚めた。
...
「おい、『目が覚めた』とはどういうことだ」
と思われただろうか。まるでそれまで
眠りこけてたみたいじゃないかって?
申し訳ない、白状する。ストーリーを追える程度
には起きていたが、開幕30分からクライマックスの
手前くらいまでは必死で睡魔と闘っていた。
このシリーズほぼ全作通しての不満なのだが、まず
アクションシーンに緩急が無い。キャラ描写も薄いので
ドラマにあまり感情移入もできない。すると、どれだけ
壮絶なアクションシーンでもエキサイトしきれない。
シリーズを重ねてもその点での進歩は感じられないし、
加えて今回はドラマの随所で挟み込まれるギャグの
9割がイライラするほどの滑り具合で、物語や
主人公たちへの興味すら削ぐ勢い(物語を追いたい
のに笑えない軽口ばかり延々聞かされるのは辛い)。
特にニンジャ執事ことコグマンは悪くないキャラだが、
パイプオルガンのギャグ等々は冬季五輪で
金メダルが狙えるほどの滑りっぷりだった。
ドラマに乗れずアクションに乗れずギャグにも
乗れないと、目を開けているのがしんどくなってくる。
それこそ天変地異みたいな映像が終盤で
披露されてようやく覚醒できた訳である。
...
「薄い」と書いたがキャラ描写についてはまだ
気に入っている点はあって、名優A・ホプキンスは
威厳も茶目っ気もたっぷりに演じていてさすが。
コグマンとのやり取りもちょっとだけグッときた。
相変わらず高潔なオプティマス・プライム、
前作から続投の娘想いな主人公イエーガー、
ロボットと暮らす孤児イザベラも悪くない。
(洗脳されたプライムの結末は拍子抜けだし、
イザベラも思わせぶりに登場した割には
物語上で大した役割を負っていないのだが)
だけど、総合的にはイマイチの2.5判定。
これだけド派手な映像を見せてくれたし
3.0判定くらいは付けたい気はするけれど、
映像に興奮するより退屈に感じた時間の方が長過ぎた。
実質的な出来映えは前作と同程度(3.5判定を
付けた)とも思うが、印象が悪くなったのは
アクション映画に対して昔より目が肥えたのか、
はたまた派手な映画を観る体力が落ちてきてるだけか……
誰が次回作の監督を引き継ぐか、あるいは
やっぱりベイ監督が続投するかは分からないが
(だって誰がこんな特大シリーズ引き継げるよ?)
6作目、大丈夫かしら。
<2017.08.05鑑賞>
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余談:
エンドロールの圧倒的短さには驚いた。
これだけの大作なのにせいぜい3,4分くらい?
本編楽しんでもらったらスパッ!と
終了させようぜという潔さを感じて好感。
こんにちわ。
私も観ましたよー。
私はこの作品の大ファンなので
単純に観れただけで幸せです。
確かにセリフは酷かった笑。
このあとはスパイディー、ソー新作
DCはWWと、大作が続きますね。
予告編ではソーが期待大。
緑のアイツとの闘いはゾクゾクする
ほど楽しみです。
それでは残暑厳しき中ご自愛下さい。