「ダイナミックかつ繊細。正反対な二人の俳優が魅せる」ショコラ 君がいて、僕がいる ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
ダイナミックかつ繊細。正反対な二人の俳優が魅せる
100年以上も前、それこそ映画の起源とも期を同じくして活躍した肌の色の異なるコンビの物語。ピエロにも「クラウン」と「オーギュスト」を始め様々なタイプがあるのも興味深ければ、当時の観客が無意識の内に持っていた生々しい差別意識にも触れることができる。かくも描写の難しいテーマをはらんではいるものの、その語り口は明瞭で、この時代、コペルニクス的発想で打って出た二人の個性にじっくりと寄り添う内容となっている。
ショコラとフティット。彼らは友情や成功という言葉では表現できない関係性で結ばれている。人気、性格、華やかさ、暮らしぶりと言った面で彼らはまさに正反対。それでもなお差別意識を超えて、言葉にはしなくても彼らにしか分かり合えない互いへの嫉妬やリスペクト、共闘意識がある。その心の内側の繊細な動きからダイナミックな身体表現までを織りなした二人の俳優が実に魅力的。ショービジネスの歴史にまた別の角度で光を当てた良作と言えよう。
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