「【”ここは俺の国だ!と謎の”狩猟者は言った。”ソリッドなワンシチュエーションムービー。あの狩猟者はアメリカのトランプを代表とする自国ファースト主義の象徴であろう、と思った作品。】」ノー・エスケープ 自由への国境 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ここは俺の国だ!と謎の”狩猟者は言った。”ソリッドなワンシチュエーションムービー。あの狩猟者はアメリカのトランプを代表とする自国ファースト主義の象徴であろう、と思った作品。】
ー アメリカとメキシコの国境を舞台にした映画と言えば、「ノー・カントリー」「ボーダーライン」シリーズが思い浮かぶ。
今作は、現在のアメリカとメキシコの国境の状況を考えながら見ると、非常に興味深い作品である。ー
◆感想<Caution ! 内容に触れています>
・原題:Desierto 砂漠 ー 摂氏50度の砂漠。-
・メキシコから国境を越え、自由の国アメリカへの密入国をしようとする男女16人。
車の故障で、砂漠を徒歩で国境に向け歩き始めるが、謎の狩猟者及び彼の狩猟犬”トラッカー”から追われ、一人、又一人と射殺され、噛み殺されていく。
ー シンプルな作品構成であるが、作品全体に漂う、緊迫感が尋常でない。-
・追われる側が絶壁の岩場に身を隠す、追う側が銃で狙いながら狩猟犬”トラッカー”を放つなどのスリリングさがテンポ良く、鑑賞側の恐怖をあおる。
・何とか生き残ったアデラとモイエス。
狩猟者の車を一度は奪うが、狙撃され車は大破。
負傷したアデラを樹木の陰に隠し、水を残しモイエスは一人狩猟者と身一つで戦う。
<岩場での、かくれんぼをする様な狩猟者と、モイエスの姿。
そして、モイエスの決死の行動。
彼は、足を骨折した命乞いする男に
”砂漠に殺されろ!”
と冷たく告げ、アデラの元に戻り、再び砂漠を歩き始める。
何とも、象徴的なラストシーンである。
あの狩猟者はアメリカのトランプを代表とする自国ファースト主義の象徴であろう、と思った作品。>
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