「「人間狩り」目的の気分が悪くなる鬼ごっこ」ノー・エスケープ 自由への国境 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
「人間狩り」目的の気分が悪くなる鬼ごっこ
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幼いころ、映画『パニックインスタジアム』なる作品を観た覚えがある。
今回の作品は、それよりも格段に政治色の色濃いものであった。舞台は、アメリカ・メキシコの国境地帯。不法侵入をしているメキシコ人を無差別に殺す映画作品である。
とにかく、観終わった後は気分の悪い映画であった。日本は他国との国境が判りづらいので、国境を越えることがどんなに恐ろしいものなのかが判らない。サムが国のための行為と信じきっている明らかに間違った使命感というのか全く人として歪んだ愛国心と容赦なく人間に向かってライフルを撃ち殺し喜んでいる異常性やサムに従順な飼い犬が人を喰い殺す場面は気分が良いものでは決してない。犬に女性を殺すのを止めさせたのはなぜか。その部分は疑問であった。
作品中、空に大きく「DESIERTO」の文字が浮かび上がる場面が異様であった。サムをあのような人間にさせたのはなんであったのか。人の残虐性とライフルの音、そして最後まで生き残った青年の帽子がなくならなかったことが強烈に残った作品だ。
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