「名優もいつも名作に出ているわけではない。」メン・イン・キャット バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
名優もいつも名作に出ているわけではない。
ケヴィン・スペイシーとクリストファー・ウォーケン、当代きってのアクの強い名優の共演作……だが、どこを切っても他愛のないファミリーコメディだ。
仕事第一のやり手社長がネコになって、娘のペットとして飼われながら会社乗っ取りの陰謀に立ち向かう。多少の皮肉は込められているが、終始能天気なノリが続くので、ピンチにハラハラしたりする局面はまったくと言っていいほどない。
舞台はニューヨーク、監督は『MIB』のソネンフェルド。アメリカ映画にしか思えないがなんとフランスと中国の合作。要するにリュック・ベッソンのヨーロッパ・コープが中国と提携して作った作品なのである。
スペイシーもウォーケンもこれが彼らの代表作になるなんてカケラも思っていないような演技だが、こういう力の抜けた芝居をさほど骨のない作品で観るのも、たまには贅沢をしている気がして悪くない。
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