「.」ジェシカ・アルバ ヘブンズ・ベール 死のバイブル 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅にて鑑賞。日本劇場未公開で、原題"The Veil"。'97年、カリフォルニア州で起こったヘヴンズ・ゲート集団自殺にインスパイアされたと思われ、劇中の臨死体験を経て死を超越すると云う教義や犠牲者数(38人が本作では47人)もこの事件に近い。恐がらせ方が中途半端で、散々臨死に触れられる割にアチラの世界の具体的な描写が一切無く、やや唐突な救いの無いラストの後味も一際悪く、オカルトファンも物足りなさが残りそう。不気味な空気感や未開発な片田舎の雰囲気の有る画が多かったのが、救いかもしれない。50/100点。
・仰々しくやや芝居がかっていたが、教祖“ジム・ジェイコブ(78年の人民寺院集団自殺の教祖はジムと呼ばれていた)”のT.ジェーンが佳かった。TVシリーズ『アメリカン・ホラー・ストーリー('11)』のゲスト“ノーラ・モンゴメリー”役とTVムービー『見えない訪問者 ~ザ・ウィスパーズ~('15)』の“クレア・ベニガン”役を観た監督は、その演技力を高く買って彼女しかいないと“サラ・ホープ”役をL.レーブにオファーした。
・J.アルバ演じる“マギー・プライス”が自己中心的過ぎて共感出来無かった。きっかけになった彼女の父の自殺理由も微妙──人質事件やテロ等、人命が大量に奪われる現場で、判断を誤ったFBI捜査官がその都度、自殺している訳が無い。亦、25年の捜査で、歩いて行ける距離に行方不明者や証拠品が多く残った隠れ家が発見出来無いのも大きな疑問。他にもよく考えると破綻や綻びがアチコチに目立つ。
・隠れ家のカメラが設置された(冒頭登場する写真で何処にも見付からなかったと云われていた)部屋の壁には『鋼の錬金術師('01~'10)』に登場する“フラメルの紋章”と呼ばれるフラメルの十字架にかけられた蛇のマークが描かれている。
・鑑賞日:2016年10月30日(日)