「この映画のパンフレットが欲しい!」パリはわれらのもの bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画のパンフレットが欲しい!
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海外でリリースされている英語字幕版のDVDを買おうか、と迷っていたときに、フランス映画祭2016での一回だけの上映があると知ったので、これは、万難を排して、観に行かなければ、と思い有楽町の劇場まで駆け付けた次第です。観客は8割程度でした。
内容はある演劇グループがシェークスピアの「ぺリクルーズ」を上演しようとしているところに、一人の仲間が亡くなり、その死をめぐって、主人公である女子学生があれこれ奔走する、というものです、ミステリー仕立ての作品かと思っていると、「実は地下で巨大な国際的陰謀が図られている」などという科白が飛び出し、とても一筋縄ではいかない全くユニークな作品に仕上がっています。当時の東西冷戦下に生きる人々の不安な心情を反映した作品でもあるようです。また、ゴダールはあくまで友情出演といった程度で、あまり重要な役どころではありません。映画の最後の場面、一群の水鳥が水面を飛び去っていく映像が妙に印象的でした。尚、字幕担当は寺尾次郎さんです。
このような作品が日本では未だにロードショー公開されず、日本語字幕のDVDも未発売とは残念でなりません。今年(2016年1月)、リヴェットが死去しました。「いとこ同志」、「大人は判ってくれない」、「勝手にしやがれ」と並ぶヌーヴェルヴァーグの傑作がこの国でも当たり前のように観ることができる日が来ることを切に願っています。
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