ヒマラヤ 地上8,000メートルの絆のレビュー・感想・評価
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共に登り、共に下りるから
ハリウッド映画や日本映画でも挑んだ明峰エベレスト。
こちら実話を基に、韓国映画でもアタック!
あらすじを見ると救助劇のようだが、それが描かれるのは後半になってからで、前半は渦中となる登山家たちの出会いや訓練や絆…。
この部分もユーモアや熱いものがあり、ここをしっかり抑えておけば、後半のドラマに効いてくる。
ヒマラヤ山脈の麓でベースキャンプを営む登山家オム・ホンギル。
大学の後輩チームが遭難したとの報せを受け、救助に向かう。
悪天候になり、遺体の回収は困難。しかし、メンバーの一人テムクは死んだ仲間とも下山する事を望み、山を甘く見るテムクにホンギルは激怒。二度と俺の前に姿を見せるな!
春になり、ホンギルのチームに新メンバー。何の因果か友人ジョンボクと志願してきたテムク。
徹底的にしごかれ、しごかれ…。ホンギルに怒られる毎日だが、必死で食らい付く。
山を選ぶテムクに恋人スヨンはうんざりし、破局。その後復縁し、結婚。
テムクもいつしか指導するまでに成長。
ホンギルと数々の山を登り、頂きに達した。
ホンギルもテムクの成長と一人前の登山家として認めるようになっていた。
過去の事故から痛めた脚が悪化し、ホンギルは引退。隊をテムクに任せる。
ホンギルにとってもテムクにとっても誇らしい事だったが、悲劇が…。
悪天候で下山中ににテムクの隊が遭難。状況から生存は絶望的…。
ショックを受けるホンギル。
せめて、せめてあいつらの遺体だけでも…。
ホンギルは“ヒューマン遠征隊”を結成し、仲間の遺体回収の為に再び山に赴く…。
本作のメインストーリーとなる実話基の遺体回収劇。
脚を痛め引退し、また登れば本人も遭難の恐れあるホンギルを先輩は制する。
が、ホンギルは言う。登ったら、下りないと!
命懸けの回収劇。天候は悪化、やはり脚に負担が…。凍傷も危惧。
それでもホンギルは諦めない。
テムクが死んだのは自分のせいでもある。
スヨンにも咎められた。あなたが引退して隊長になったからテムクは死んだ。
後悔と責任が突き刺さる。
絶対に、あいつらを見つけて一緒に下山する…。
向かうはエベレストでも最も危険な“デスゾーン”と呼ばれる場所。
スリリングな山岳映画の醍醐味充分。
ここが見せ場だろうが、個人的には前半の訓練や成長、師弟ドラマこそ魅せられた。それがあったから後半の悲劇やドラマチックさや感動もひとしお。
ファン・ジョンミンには兄貴分が似合う。
頂を目指す。
憧れや夢と共に危険や死も伴う。
しかしそれでも何故登るのか?
そこに山があるからは有名だが、彼らはそれとは別に、
共に登り、共に下りるから。
お前と見た頂からの景色を忘れない。
【”登ったら、降りないと。”実在の登山家オム・ホンギル氏が引退後、自らが高所登山に引き込んだ男達がエベレストで遭難した報を聞き、遺体回収に向かうムネアツドラマ。】
■登山家のオム・ホンギル(ファン・ジョンミン)は引退後、ヒマラヤ4座を共に登頂した最愛の後輩ムテク(チョンウ)ら三人がエベレストからの下山中に遭難死したことを知る。そこはデス・ゾーンと呼ばれる、地上8,750mの地。
誰もが遺体収容を諦めるなか、ホンギルはかつての仲間たちと「ヒューマン遠征隊」を結成する。
◆感想
・申し訳ない話しだが、この実話を私は知らなかった。だが、本作を見て山で生死を共にした仲間というモノは、生きて居れば生涯の友になる事を思い出した。
・それにしても、超高所登山の映画を観るたびに思うのは、どのように撮影をしたのかという事である。
今作でも、流石に8000Mではないと思うが、表層雪崩のシーンやアイゼン、ピッケル、ダブルアックスを使って氷上を上るシーンは、可なり高度がないと難しいと思ったのである。
・登山に嵌った人間が、登山を辞めるきっかけは3つあると言われている。
一つは、就職をした時。
二つ目は、結婚をした時。
三つめは、子供が生まれた時である。
ムテクは、スヨンと結婚しても高所登山を続けた結果、遭難ししてしまい、葬儀でも遺体がないと母が、オム・ホンギルに泣きつくのである。
・今作を観て思うのは、矢張り優れたる登山家は、撤退するタイミングを高所、大所で見極める力量があるかないかなのだなと思うのである。
■今作のオム・ホンギル氏を見て思い出したのが、且つて東京農大にこの人アリと言われた谷川太郎氏の事である。
氏は、農大在籍時、当時の大学山岳会の精鋭を集めたパーティでK2登山を極地法で行った際の登頂隊長であったと記憶する。
そのメンバーの中には、今ではサバイバル登山家として有名な服部文祥氏もおり(当時は村田文祥)氏の著作(全て読んでいる。大変面白いので、興味のある方はどうぞ。)で知ったのだが、高所・大所で物事を判断する方だそうである。
そして、その登山の2年後に、氏はK2登山のメンバー数名と、今作でも出るカンチャンジェンガに登頂するのだが、2名が下山中に遭難死してしまうのである。
だが、氏は当時は行方不明とされていた二人を探しに単独で高所を24H以上探査するのである。当時の記録が「岳人」に残されているが、正に超人である。アップダウンを含めてトンデモナイ距離を歩いているのである。隊長という責務を果たすためとはいえ、信じがたい責任感である。今作のオム・ホンギル氏に、通じる所があると思い記載しました。
<登山映画というと、今作も若干その気があるが、実際にはドロドロとしたものになる事が多い事も敢えて記載する。
極地法登山で良くあるのは、誰が一番隊で、誰が二番隊になるのかでもめる事が儘あると言事である。皆、会社や家庭を犠牲にして来ているので、誰もが登頂したい思いが当然あり、歴然とした力量差がに場合に、大きなしこりになるケースがある事は、知っておいてもらいたいと思い記載しました。>
何で山に登るのか…
こんな目に会うのに、それは登山家でないと永久に分からないだろう。私には分からないが本作を理解することは別で、実話ベースで感動した。生死を共にした仲間との絆は自らの命を懸けてまで守るもの、非常に強く感じた。
命をかけた、命以上の想い
人が登るだけでも命がけの場所で
遺体を捜して回収するって、
自分や家族のことを考えたら絶対できない。
亡くなってる人を回収するために、
自分や誰かが死ぬ可能性が高いことをするのか。
それでも、仕事や家族を置いて、登っていくメンバー。
命をかけた想いが、命を超えている。
現代の日本人には、なかなかない感覚と感情なんじゃないかな。
やっぱ自分と家族を守りたいでしょ。
ホントにあった話なら、韓国人のアホさというか、気持ちの熱さを感じる。
そこがまた、とても惹かれるとこなんだよな。
下山を決めた時のやりとりに、とてもうるっときた。
メンバーと命をかけてやっていることを、達成できない悔しさと
それでもここまでやれたという納得感と
言葉では言い表せない、こみ上げてくる感情が
泣けてくる。
16座達成での締めくくりが、
とても清々しいラストだった。
山と人と心と。
命をかけてまで登山に挑むその心は、そこに身を投じる人にしか分からないのだろう。
雪山においては死はいつも隣り合わせで、生死の境で闘い葛藤する場面も多くあるのだろう。
これは、山岳家たちの「友情」の物語。
決して大パノラマを見せるとか、山の厳しさを伝えるとか、それが主題ではないので、その点予め理解して鑑賞するのが良いだろう。
「遺体回収なんて、そもそも自殺行為。無理に決まってんじゃん」というクレームはナンセンス。
それは登山家自身が誰よりもよく分かっているし、だけど、だからこそ大事な仲間を最大限に労ってあげたい想いがあって、その狭間で苦悩し、そして極限状態で下す最良の決断は何か。
人は生かし生かされるのだなぁと感じる映画だった。
辛口しなくても。。
山岳映画じゃありませんよ!
感動ものではあるけれど。
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