「初心者から上級者まで、ティファニーの魅力をサクッと俯瞰」ティファニー ニューヨーク五番街の秘密 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
初心者から上級者まで、ティファニーの魅力をサクッと俯瞰
1837年創業の老舗ブランドの魅力に迫るべく、映画人、デザイナー、経営陣、コーディネーター、雑誌編集者らの証言を集めて綴るドキュメンタリー。白いリボンとのコンビネーションが生える「ブルーボックス」の秘密や「ブルーブック」と呼ばれるカタログに触れつつ、『ティファニーで朝食を』などの映画やドラマのフッテージを用いて文化的な影響についても懐古していく。さらに著名人のコメントからはその物的価値にも増して「何よりも“精神性”に魅せられているのだ」という思いがひしひしと。それを裏付ける1888年の猛吹雪の折にも休業することなく定時に店を開けた創業者のエピソードや、一人の少年がしたためた手紙に対するティファニー側のリアクションにも、単なる儲け主義ではない、理念を尊ぶ気風が見て取れる。これらをつぶさに読み解くだけでも楽しい。ファッション好きから映画好きまでこのブランドをサクッと俯瞰できるティファニー考。
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