「「死」を受け入れて人は大人になる」クリミナル・タウン とえさんの映画レビュー(感想・評価)
「死」を受け入れて人は大人になる
これ、割と評判の悪い映画で
つまらないのかなぁ〜
と心配しながら行ったら、そんなにつまらなくもなかった
むしろ、それなりに楽しんで帰ってきた
来年、大学進学を控えた高校生のアディソン(アンセル・エルゴート)と、フィービー(クロエ・グレース・モレッツ)は、同級生のケビンが殺された事件を不審に思い、独自に聞き込みを始める…
このアディソンとフィービーが迎えている高校最後の年の11月は、大学への進路を決める年
彼らは、願書を大学に送り、合否判定を待っている状態であり、年齢的にも子供から大人へ成長する歳を迎えている
つまり、最も精神的に不安定な時期なのである
その時に起きたのが、同級生ケビンの殺人事件だった
大学からの合否待ちのアディソンは、まるでとりつかれたように、ケビン殺人犯探しに夢中になっていく
そんなアディソンを観ながら、私は彼が「死」そのものを理解し、受け入れようとしているんだなと思った
その事件のちょうど一年前、アディソンのお母さんが突然死している
しかし、彼は、その死を受け入れられずにいるのだ
そこへ、ケビンの事件が起きる
アディソンは、ケビンの死の謎を解明すれば「死」というものを理解できる気がしているように見えた
彼は、その時まだ、大人への成長の過程にいたのだ
アディソンにとって、大人になるということは、リスキーで痛みを伴うものだとわかったはずだ
この映画は、デビッド・ボウイに捧げられている
それは、世界中の人々が彼の死を受け入れられずにいることを示している
ただ、非常に残念なのは、アンセルもクロエちゃんも、どんなに頑張っても、高校生には見えない
クロエちゃんはまだしも、アンセルは厳しすぎる
キャスティングはもう少しがんばって欲しかったと思う