「エンドロール直前で、涙腺崩壊。」LION ライオン 25年目のただいま だいきつさんの映画レビュー(感想・評価)
エンドロール直前で、涙腺崩壊。
元になった実話は
ネットニュースかなんかで知っていて
それが映画化されたと聞いて
是非観てみたい!と思っていた。
序盤は
とにかくサルーの可愛らしさに癒された。
と同時に、残酷なまでの「格差社会」に愕然とした。
サルーがカフェの男性に救われるシーン。
そこには、ガラス一枚隔てて
全くの別世界が存在している。
本来はサルーが助かる安堵のシーンなのだが
逆に考えさせられるシーンでもあった。
養母であるニコール・キッドマン。
その存在感は凄かった。
母性がスクリーンから溢れ出してくるようで
「母子もの」の映画に弱い私としては
その表情だけで涙腺が崩壊しそうになる。
サルーを新しい家族として迎えるシーン。
なんか、アッサリと
家族になって行く様子に違和感。
地獄のような経験をして来た子供が
すんなり見ず知らずの大人に懐くのか?
そう考えると遅れて養子にやってきた
マントッシュの反応の方が、
自然な反応だったのかもしれない。
サルーが青年期に出会うルーシー。
出会って始めの頃の
道路隔てての一緒歩き。
途中で電柱に隠れるあのシーンは
ヤバい(^^;;かわいい^_^
が、やがてサルーとすれ違い始める。
この辺りの「恋愛のもつれ」演出はいる?
あまり共感できなかった。
ラスト。
初めから分かっているとは言え
お母さんと出会えるシーン。
お兄ちゃんがもう
この世にはいないとわかるシーン。
物語はここで大団円を迎える。
が、個人的には
エンドロール直前の
「実際の映像と写真」で
涙腺が大崩壊した。
スライドショーのように
流される写真たち。
そこには満面の笑顔の幼いサルーがいた。
側には劇中のニコール・キッドマンと
同じ服とサングラスを身につけた
実の養母が写っていた。
なんかもう、これだけで
救われたような気がして泣けてきた。
上映後、心地よい余韻に浸りながら
思った。
あのシーンがどうとか、演出がどうとか、
そういう事を言うのは野暮なのかもしれない。
この「奇跡の実話」を
「映画」として見られたことに感謝したい。
重たい映画だしショッキングな描写もある。
デートにはオススメできない。
でも、タイミングが合えば是非見て欲しい。
原作も読んで見たいと思った。