「ノリノリで号泣!」シング・ストリート 未来へのうた showさんの映画レビュー(感想・評価)
ノリノリで号泣!
「once ダブリンの街角で」「はじまりのうた」と、撮れば良作を創り出すジョン・カーニー監督の最新作を、
ヒューマントラストシネマ渋谷で鑑賞。
シネクイントでの上映も終わり、ヒューマントラストシネマでも1日一回のみの上映ということもあり、場内はほぼ満席の中での鑑賞でした。
内容は…、お手上げ状態で文句なし!!!
毎回素晴らしすぎるミュージックナンバーを響かせるジョン・カーニー監督ですが、
本作はいままで以上に磨きがかかっていて、アガルし泣かせるし、
終いには号泣しながらノリノリになっているってゆう「悲しく嬉しい」状態にまで導いてくれます。
本作は、どーしようもない環境で育った学生たちが女の子にモテたいって動機でバンドを結成して、その状況に合わせてバンドナンバーを創り出すんですが、
そのどれもが名曲すぎる!!
音楽への愛情がたっぷり注がれていて、よくもまあ、こんな名曲ばかり作れるものです。
今回の扱っている音楽は、80年代ロック。
80年代のロック事情からの引用が多いので、自分よりももう一世代上の方々は、もっと楽しめるんじゃないかと思います。
そんな音楽事情を知らなくても、学生時代に何かに没頭したことのある人なら、感情移入が必至です!
自分も映画に没頭していた学生当時の自分の姿を投影してしまって、
そのボンクラぶりに愛着が湧いてしょーがありませんでした。
(テストもそこそこに絵コンテを書きだしてしまうシーンとか、まさにそのまま!)
また、本作は兄弟映画でもあります。
弟にとって兄の存在は偉大で、特に音楽や漫画といったサブカルに関する知識は、兄の影響をモロに受けます。
兄の切り開いた道を、弟は平然と歩いてしまうのです。
兄としては、複雑な気持ちでしょうし、弟はそんなことは何も考えずに吸収していきます。
本作は、そんな兄弟あるあるが満載です。
また、全くの偶然ですが、鑑賞前に「ソロモンの偽証」を観ていて、
日本の学生とアイルランドの学生との対比を見比べることができて、
その作品性やアプローチが全く違うのに共通点も多々あり、とても興味深かったです。
事あるごとに思い出すでしょうし、
たぶん定期的に見ることになりそうです。
今年ベスト級の一本でした!