「コロニア」コロニア ひろみちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
コロニア
歴史を知るということ
チリの軍事政権のときの話を本で読んだので、関連で思わず見てしまった。歴史を知るということは時にものすごく残酷なんだな。
ただの思想の違いでここまで争いが起きるのか、第二次世界大戦以降の冷戦下で起こってきた戦争はほとんどが思想の違いによるものなのに。
そんな中反政府勢力がここまで残酷に拷問され、虐殺された国はチリは唯一といっていいのかな。しかも他国からの介入はなく、アメリカは共産主義政府を樹立させたくないためこの愚行を黙認していたり。
そうだったため、この軍事政権が17年も続いてしまったのかなと。
ストーリー的にはかのコロニアディクニタに収容された彼氏を救うために潜入する彼女エマワトソンに脱帽。そして、2人がとても賢くあったことが脱獄を遂げることができた要因だった。ただ拷問の有り様や内部での扱われ方は人間とは思えないような扱われ方で、正直見ていて胸糞が悪くなってしまった。ほんとに最後飛行機飛ばしてくれてありがとうパイロットさん。
歴史を学ぶということは時に残酷なものを見ることになる。その過ちを今後二度と繰り返さないために、同じような状況に陥ったときにどう乗り越えるのかの教訓にするために、やっぱり必要なことなんだと感じた。
ただ、歴史の大枠の中には人間一人一人の物語があり、その時代を生きた人の想いを知ることも適切に歴史を理解する上で大切なんだと思う。映画はそれをさせてくれる。
コメントする