「弱者に鞭打つ社会の責任、なんですかね」ティエリー・トグルドーの憂鬱 filmpelonpaさんの映画レビュー(感想・評価)
弱者に鞭打つ社会の責任、なんですかね
不正を行う者はなぜ不正を行うんでしょうね。作中に答えはない。ただただ突きつけられる問いの発見がある。
悪に報いるには善を持ってするしかない、という余裕もなく、ただただ陰気な展開が続く。たとえ死人が出ても。
ああ、もうやってらんねえぜ、ということで壁に名前を記したのはダニエル・ブレイクおじさんでしたが、イギリスだろうがフランスだろうが日本だろうが貧困の景色は似ていて、家族との時間は唯一の救いでも、一滴や二滴の福分じゃあダメなのよねと遠い目になる。
ティエリーおじさん、トレーラーや住宅を売ろうとせず手持ちの何かに固執する姿は、人間臭くて、愚かで、よかった。
コメントする