彼らが本気で編むときは、のレビュー・感想・評価
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泳魚
騙された。
タイトルからてっきりホイチョイの新作バブル映画かと思ったら、とても丁寧に描かれた“今”の映画だった。
たくさん見てる訳じゃないけど、荻上監督と言えば、日曜の昼にウトウトしながら家のTVで観るような映画を丁寧に撮ってるイメージがあって、いや、今回もそれの延長線上ではあるんだけど、そういう人が撮るからこそLGBTQというデリケートな“今”が上手く描かれているんだなと感じた。
ある人にとってはこれだって日常系映画かもしれないし、でもある人にとっては到底受け入れ難い題材かもしれないし。
劇中の小池栄子やミムラだって、あれが現実ではまだまだマジョリティだと思うし、映画というフィルターを通さなかったら悪人とも言い切れないと思う。
この問題に限らず、みんなが想いを一つにする必要はない、認め合えればそれでいいんだけど、まあ、それこそがとても難しい事だったりするし、“個性”として活かせるかいうのはその人の特性や環境にもよるし、皆が皆スイミーやマツコ・デラックスみたいに上手くいく訳じゃない。
だからこそ、ゆっくり、こうした映画を通して理解を広げて行くことが大切なのかなと。
それにしても、飛び交うチンコ、燃え盛るチンコで涙ぐむとは思っても見なかった。
35
とてもとてもとてもいい映画でした。 この世に生まれてきたこの唯一無...
とてもとてもとてもいい映画でした。
この世に生まれてきたこの唯一無二の自分を生きるために、つらいこと悔しいこと痛いことどうしようもないこと、きっといっぱいある、それでも生きるの。
優しく優しく、この社会に横行している「普通」というケモノと戦うの。
人は、それぞれで、いいのよね。
生類憐みの令
やりきれない気持ちを昇華する物語。
マキオを演ずる桐谷氏の棒読みの台詞や、ぎこちない表情が気になって仕方がなかった。
また家庭内でのだらしのない仕草や、リンコさんを抱き締めるシーンでは筋肉の強張りが感じられ、トモの強張りを解く馴染みやすい役柄として不適当である。
また、生々しい家庭・社会問題の上澄みのみ掬うかの如く陳腐で時代錯誤な表現の数々からは、偏見に対する偏見が見受けられ、時折挟み込まれるリンコさんの母親の無神経さをギャグとして見せられても嫌悪感しか抱かない。
自分もトモと同じ母子家庭で、大変な苦労を経験なさっているだろうに、娘のパートナーに対して「片親だからラッキー。」などという非常識な台詞が出てくるなどまずあり得ないだろう。
勿論、敢えてそういう態度であっけらかんと受け入れ昇華しているという表現だが、その演出意図を含めて下品極まりない。
それから、末尾での「姉さんを宜しく頼む。」という叔父の発言にも納得がいかない。
しっかりしていようとトモは子供だ。
何故これ以上、大人の態度・行動を背負わせるのだ。
どうして「いつでも遊びにおいで。」と言ってやれない。
監督の倫理観に疑問符が付く。
現実に子供が思い詰めて自殺する世に於いて、片付けられた部屋を映して締めとせず、理解無き人間に対して、どう向き合い行動していくのかを示す責任があるのではないか。
本気で編む事は大事だが、苦難に対する解決には繋がらない。
本作をトモやカイと同じ様にネグレクトやいじめの渦中にいる子供が観た時、四面楚歌の中で編み続ける孤独を是としかねない。
また、本来助けを求めるべき児童相談所の人間まで理解無き大人として描かれている為、現実的且つ効果的な解決法の全てを封じてしまっている。
これでは立ち向かったり、逃げたり、理解を得ようとする心を育む事など到底叶わない。
トモの様に強く優しい人間が臨界点に達した時、どうなるのか。
死を選ぶのだ。
某Webマガジンのインタビューにて荻上監督は、「自分が決めた道を歩んでいるのであれば、周囲が何と言おうがどうでもいいと思う。」「自分が選んだ道を進んでいる限り、私は誰に嫌われても平気なんです。」と語られている。
成る程、監督は理解なき人や物事に対して無頓着に生きてきたのだろう。
それは他者との連帯から掛け離れたものであるという事を知るべきだ。
揺れる時代に必見!
LGBTについては、世の中全体が、まだまだ戸惑いや否定的な意見が多く見られる。本作は、本人、親、身内、従来の「常識」に囚われた他人など、LGBTを取り巻く状況をうまく描いていると思う。
予想以上の秀作。
『彼らが本気で編むときは、』 以前トランスジェンダーの人とお仕事を...
『彼らが本気で編むときは、』
以前トランスジェンダーの人とお仕事をしていたこともあり、なんとなく映画館へ。
この映画を通して今頃になって彼がどんだけ生きづらかったか。当時は理解してくれる人もいなかったんだろうなって。
涙が止まりませんでした。
切ない
すごく良い映画でした。りんこさん素敵すぎる。お母さんとの関係性てほんとに大事なんだなぁと思いました。とも役のりんかちゃん、演技上手!泣いているとかわいそうでかわいそうで一緒に泣きそうになりました。りんこさんもともちゃんも幸せになれますように。
むずかしい
こういう人とはいえ出会った事ないので、自分が果たして、どう感じどう思うのかわからないから、理解しようとせずに拒否反応示す人に怒りとかは感じない。
子役の子はアイドルになれそうだ。
斗真くんはむずかしい役を良く演じてたと思う。
もう少し背の低い他のジャニーズなら、似合い過ぎたんだろう。
斗真来んの背がこの役に必要だったのだろうね。
また観ようかな
また観たいな、と久々に思う映画だった。
優しくて、暖かくて、切なくて、笑えて、泣けて。
人生色んなことがあって、いいことばかりではなく、苦しいこともある。
その時どうするか。
わたしも編もうかな。
暖かい春の映画
LGBTを主人公においた日本映画で一番自然な描き方をしていたと思う
暖かく優しく穏やかで、でもたまにクスッと笑えて
小池栄子がまたものすんごい嫌な役というか
この人が悪役やる映画って大抵いい映画だなと思います
ドラマとかでも
彼らが本気で編むときは、
職業柄、予告も気になっていったので観に行った。
トランスジェンダーもテーマだが、母親ってのが大きなテーマのような感じがする。
色々な母親が出てくるが、別に押しつけもなく、考えさせるような感じがまたいい。世の中の親は観て、考えてほしいもんだが。
一部実話があるらしいし、切なく、笑えるシーンもある映画だ。
久々にもう一度観ようかと思う映画だった。
尋常でない包容力を持ったひとのハナシ
小学5年生のトモちゃん(柿原りんか)は、母親とふたり暮らし。
しかし、母親は時折、トモちゃんを残して男の許へ走ってしまうことがある。
ある日、またしても、トモちゃんを残して、母親は出奔してしまった。
ひとりになったトモちゃんは、母親の弟マキオ(桐谷健太)が勤める書店を訪れる。
マキオに連れられていった彼の住まいで、トモちゃんは、性転換者のリンコ(生田斗真)と出逢う・・・
というところから始まる物語で、サイドストーリーとして、同性愛に悩む同級生の少年カイくん(込江海翔)の物語が絡んでいく。
異色の題材だが、奇妙なところなどまるでない、至極フツーの物語として、荻上監督はこれまで培った淡々とした演出で撮っていく。
これがとても好ましい。
ひとそれぞれに悩みはあり、そんな悩みがあることはフツーだし、そんな悩みを抱えているひとを優しく包んであげたい。
監督の、そんなやさしさが溢れている。
尋常でないかもしれないほどの、やさしさである。
しかし、そんなやさしさには、当然のことながら、簡単に到達できない。
ときには、怒り、悔しい思いもする。
そんなときは、そんな思いをぐっと飲みこんで、毛糸に一目一目ずつ託して編んでいく。
タイトルの『彼らが本気で編むときは、』は、そんな意味だ。
こんなことを劇中のリンコさんが言うわけだが、古いことで恐縮するが、森崎東監督の昔の映画で、「女は、悲しいとき、ぐっとこらえて、ごはんを食べるんだよ」という台詞を思い出したりもした。
この映画、ただやさしいだけでなく、終盤、凛とした気概もみせる。
出奔したトモちゃんの母親が戻ってきて、トモちゃんを連れ戻そうとする件、母親は女性性に基づく母性を振りかざすが、「女性や母性を振りかざす前に、親として弱いものを守ろうとしないの」と問うリンコは凛としている。
たしかし、シングルマザーには生きづらい世の中だ、だからといって、自己都合で子どもを打っ棄っておいていいはずはない。
リンコは戸籍上の性を変更した後は、マキオと結婚して、トモちゃんを引き取る覚悟があったからだ。
こう考えると、リンコもそうだが、マキオの包容力も尋常でない。
尋常でない包容力を持ったふたりのハナシなのだ。
リンコ、マキオ、トモちゃんの三人が毛糸で何を編んでいるかは、ここでは明かさない。
最後に、リンコがトモちゃんに渡す品物も、同じく明かさない。
それらの品物は性を象徴しているが、しかし、性から解放されていくことを考えると、かなり興味深く、かつユーモアに溢れている。
良かったです。
彼らが本気で何を編む?
そうですよね。
順風満帆に物事が進むわけありません。
ひとつひとつ乗り越えて今があるわけで。
そして、やはり親の存在って凄いな……と。
もし、りんこさんのお母さんが小池栄子だったら
全く違う人間性をもち、今は無いわけで。
パラパラと、クスリッと笑えるコネタがあり
そして、涙あり。の素敵な時間を送れました。
生田斗真が意外にガタイ良くて何なら桐谷健太よりもガッチリしてて絶妙...
生田斗真が意外にガタイ良くて何なら桐谷健太よりもガッチリしてて絶妙な違和感。もっと華奢で女装がハマる俳優さんいたのにと思いましたが敢えて若干違和感のあるようにしているのかな?
…などと色々考えてしまうのですが内容はとにかく素晴らしい!心が洗われるようでした。
そしてこんなに笑いが散りばめられた作品とは思わなかった!いい意味で想像を裏切って来ます。編んでるものの正体とか…(笑)
受け入れる
荻上監督の作品は、さりげなく、受け入れることの大切さを教えてくれるので好きです。
今回の作品はトランスジェンダーの方の苦しみや葛藤が強く描かれていてジーンとしました。
が、個人的には今までのテイストで登場人物の一人としてトランスジェンダーのキャラクターをがいて、それを当たり前に受け入れて生活する人びとの物語の方が良かったです。
今の時代あそこまで...?
日本人が好きなセレブたちも同性愛を公表したりしていて割とそんなに偏見もってないんじゃないかと。(まあ、全くではないと思いますが。)
あの看護師さんは無神経すぎて逆に不自然に感じてしまいました。
ただ相変わらず飯島さんのお料理は美味しそうだし、心地よい生活音には癒されました。
おにぎりの包みをとる音や火の音が個人的には好きでした(^^)
荻上監督作品とはやはり・・
荻上作品を数多く観ている訳では無いが、そもそも自分の感性と相性の良い監督ではないのだが、この作品に関しては予告編やレビューを見る限り、結構期待していた。
率直に言うと、基本的にストーリーやキャスティングに関して問題は無し。
がしかし案の定、自分から見る限りは演出や編集に関して、良くない部分の方が目立ってしまった。
おまけに時折放たれる台詞の中に製作者が恐らく意図していないであろう不愉快になる物があったのも事実。
やはり映画を鑑賞する上で監督との相性は存在するのだな、と改めて確認した。
感動
人を愛するってこういう事なんだなって思いました。
とてもほっこりして 感動しました。
こんなに泣いた映画は久々で。。
でも笑えるところも沢山あって笑いあり涙ありってこの事だなって思いました(笑)
何回でも見たい、生田斗真の演技力も見入ってしまいました。
素晴らしかったです。
ずっと泣きっぱ
メインは受け継がれる母子愛。感動に拍車をかけるのが性同一性障害、同性愛。
テンポもよく、演出脚本もよく泣き笑いでした。心が洗われます。
柿原りんかちゃんの演技がとても自然でなんてかわいい子なんでしょう。
そりゃあんないい子欲しいと思うでしょう。ステキな女優さんになるのがとても楽しみです。
きっとその後のともは編み物を続けるんでしょうね。
いま、日本で問題視されていることを含めた作品であると思います。難し...
いま、日本で問題視されていることを含めた作品であると思います。難しく、現代の日本では軽蔑されているように見えることが、とても綺麗に、且つ現実的に描かれていたように思います。
つらいけど、こころもあたたまるとても素晴らしい作品でした。
家族の物語
荻上監督の作品を初めて鑑賞しましたが、他の作品も観てみたくなるような佳作です。何気ない日常に幸せを気づかされるところが、この映画を観るとわかります。食事のシーンが見所の1つ。少し前に「僕らのごはんは明日で待っている」を観た時も、人の心を結びつける大事なシーンにごはんのシーンがあったが、この映画でもいい味出しています。出演者の名演も必見です(特に生田斗真)!!
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