彼らが本気で編むときは、のレビュー・感想・評価
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彼らが本気で編むときは、
職業柄、予告も気になっていったので観に行った。
トランスジェンダーもテーマだが、母親ってのが大きなテーマのような感じがする。
色々な母親が出てくるが、別に押しつけもなく、考えさせるような感じがまたいい。世の中の親は観て、考えてほしいもんだが。
一部実話があるらしいし、切なく、笑えるシーンもある映画だ。
久々にもう一度観ようかと思う映画だった。
尋常でない包容力を持ったひとのハナシ
小学5年生のトモちゃん(柿原りんか)は、母親とふたり暮らし。
しかし、母親は時折、トモちゃんを残して男の許へ走ってしまうことがある。
ある日、またしても、トモちゃんを残して、母親は出奔してしまった。
ひとりになったトモちゃんは、母親の弟マキオ(桐谷健太)が勤める書店を訪れる。
マキオに連れられていった彼の住まいで、トモちゃんは、性転換者のリンコ(生田斗真)と出逢う・・・
というところから始まる物語で、サイドストーリーとして、同性愛に悩む同級生の少年カイくん(込江海翔)の物語が絡んでいく。
異色の題材だが、奇妙なところなどまるでない、至極フツーの物語として、荻上監督はこれまで培った淡々とした演出で撮っていく。
これがとても好ましい。
ひとそれぞれに悩みはあり、そんな悩みがあることはフツーだし、そんな悩みを抱えているひとを優しく包んであげたい。
監督の、そんなやさしさが溢れている。
尋常でないかもしれないほどの、やさしさである。
しかし、そんなやさしさには、当然のことながら、簡単に到達できない。
ときには、怒り、悔しい思いもする。
そんなときは、そんな思いをぐっと飲みこんで、毛糸に一目一目ずつ託して編んでいく。
タイトルの『彼らが本気で編むときは、』は、そんな意味だ。
こんなことを劇中のリンコさんが言うわけだが、古いことで恐縮するが、森崎東監督の昔の映画で、「女は、悲しいとき、ぐっとこらえて、ごはんを食べるんだよ」という台詞を思い出したりもした。
この映画、ただやさしいだけでなく、終盤、凛とした気概もみせる。
出奔したトモちゃんの母親が戻ってきて、トモちゃんを連れ戻そうとする件、母親は女性性に基づく母性を振りかざすが、「女性や母性を振りかざす前に、親として弱いものを守ろうとしないの」と問うリンコは凛としている。
たしかし、シングルマザーには生きづらい世の中だ、だからといって、自己都合で子どもを打っ棄っておいていいはずはない。
リンコは戸籍上の性を変更した後は、マキオと結婚して、トモちゃんを引き取る覚悟があったからだ。
こう考えると、リンコもそうだが、マキオの包容力も尋常でない。
尋常でない包容力を持ったふたりのハナシなのだ。
リンコ、マキオ、トモちゃんの三人が毛糸で何を編んでいるかは、ここでは明かさない。
最後に、リンコがトモちゃんに渡す品物も、同じく明かさない。
それらの品物は性を象徴しているが、しかし、性から解放されていくことを考えると、かなり興味深く、かつユーモアに溢れている。
泣いて笑って
ネグレクトの母親をもった子供が、生田斗真につくって貰った初めてのキャラ弁を喜ぶ姿や、コンビニのおにぎりを吐き出すシーン、寝るときはずっと手に持ってたタオルを手放して生田斗真に抱きついておっぱいを触るシーン
もう、あれもこれも全て
この子は本当に愛情を貰えず育ったんだと感じる所が多く、とにかく泣きました。
そして愛情を沢山注ぐ生田斗真ではなく、ダメな母を許して求める子供の真っ直ぐな気持ちにまた泣かされて…
もう顔面ぐちょぐちょです。
本当の母親には勝てなかった彼女(生田斗真)の最後の涙辛かったな…。
悲しいシーンもあったけど、それと同じように沢山面白いシーンもあったので、泣いて笑って泣いて…を常に繰り返す良い映画でした。
ピンクは女の子水色は男の子
そして黄色はどちらかわからない場合。
これはこれから産まれる赤ちゃんへのお祝いの品を選ぶときの常道。
このように世の中、産まれる前からなんとなく分けられて決められて、それに縛られている。
小さな叫びが積み重ねられて、片隅に居場所ができて、場所も少しずつ広がってきているような次第。
与えられた価値観のなかで自分が信じているもの正しいと思っているものに違う面があるということに気がつき、自分の感じること、自分の目で見たこと、自分が経験したことを通して、あらためて世界をみることができたときがスタートライン。
大人がいつも正しいとは限らない。そして
「あんたのお母さんは時々間違っているよ」
登場人物がみんなそれぞれの優しさに溢れていて涙が出ました。
唾をはいた殺風景な冬の川面に、時が過ぎて桜が映り花びらが美しく流れるように、世界にも穏やかに美しく優しい真の大人への変化が訪れてほしい。
良い映画です。
良かったです。
彼らが本気で何を編む?
そうですよね。
順風満帆に物事が進むわけありません。
ひとつひとつ乗り越えて今があるわけで。
そして、やはり親の存在って凄いな……と。
もし、りんこさんのお母さんが小池栄子だったら
全く違う人間性をもち、今は無いわけで。
パラパラと、クスリッと笑えるコネタがあり
そして、涙あり。の素敵な時間を送れました。
生田斗真が意外にガタイ良くて何なら桐谷健太よりもガッチリしてて絶妙...
生田斗真が意外にガタイ良くて何なら桐谷健太よりもガッチリしてて絶妙な違和感。もっと華奢で女装がハマる俳優さんいたのにと思いましたが敢えて若干違和感のあるようにしているのかな?
…などと色々考えてしまうのですが内容はとにかく素晴らしい!心が洗われるようでした。
そしてこんなに笑いが散りばめられた作品とは思わなかった!いい意味で想像を裏切って来ます。編んでるものの正体とか…(笑)
受け入れる
荻上監督の作品は、さりげなく、受け入れることの大切さを教えてくれるので好きです。
今回の作品はトランスジェンダーの方の苦しみや葛藤が強く描かれていてジーンとしました。
が、個人的には今までのテイストで登場人物の一人としてトランスジェンダーのキャラクターをがいて、それを当たり前に受け入れて生活する人びとの物語の方が良かったです。
今の時代あそこまで...?
日本人が好きなセレブたちも同性愛を公表したりしていて割とそんなに偏見もってないんじゃないかと。(まあ、全くではないと思いますが。)
あの看護師さんは無神経すぎて逆に不自然に感じてしまいました。
ただ相変わらず飯島さんのお料理は美味しそうだし、心地よい生活音には癒されました。
おにぎりの包みをとる音や火の音が個人的には好きでした(^^)
荻上監督作品とはやはり・・
荻上作品を数多く観ている訳では無いが、そもそも自分の感性と相性の良い監督ではないのだが、この作品に関しては予告編やレビューを見る限り、結構期待していた。
率直に言うと、基本的にストーリーやキャスティングに関して問題は無し。
がしかし案の定、自分から見る限りは演出や編集に関して、良くない部分の方が目立ってしまった。
おまけに時折放たれる台詞の中に製作者が恐らく意図していないであろう不愉快になる物があったのも事実。
やはり映画を鑑賞する上で監督との相性は存在するのだな、と改めて確認した。
感動
人を愛するってこういう事なんだなって思いました。
とてもほっこりして 感動しました。
こんなに泣いた映画は久々で。。
でも笑えるところも沢山あって笑いあり涙ありってこの事だなって思いました(笑)
何回でも見たい、生田斗真の演技力も見入ってしまいました。
素晴らしかったです。
ずっと泣きっぱ
メインは受け継がれる母子愛。感動に拍車をかけるのが性同一性障害、同性愛。
テンポもよく、演出脚本もよく泣き笑いでした。心が洗われます。
柿原りんかちゃんの演技がとても自然でなんてかわいい子なんでしょう。
そりゃあんないい子欲しいと思うでしょう。ステキな女優さんになるのがとても楽しみです。
きっとその後のともは編み物を続けるんでしょうね。
いま、日本で問題視されていることを含めた作品であると思います。難し...
いま、日本で問題視されていることを含めた作品であると思います。難しく、現代の日本では軽蔑されているように見えることが、とても綺麗に、且つ現実的に描かれていたように思います。
つらいけど、こころもあたたまるとても素晴らしい作品でした。
家族の物語
荻上監督の作品を初めて鑑賞しましたが、他の作品も観てみたくなるような佳作です。何気ない日常に幸せを気づかされるところが、この映画を観るとわかります。食事のシーンが見所の1つ。少し前に「僕らのごはんは明日で待っている」を観た時も、人の心を結びつける大事なシーンにごはんのシーンがあったが、この映画でもいい味出しています。出演者の名演も必見です(特に生田斗真)!!
せつない・・
今年になって見た映画の中では、一番でした。
押しつけもなく、淡々と描かれています。
その分、切なくてじんわりと沁みてきます。
生田斗真と桐谷健太、柿原りんかはもちろんですが、田中美佐子の
お母さんが良かった。
あんなお母さんになりたい・・
荻上直子の映画の好きな人は見て欲しい。
それから、やはり飯島奈美のお料理は素晴らしいです。
リンコさんに出会えてよかった
断言します
私(女性)はリンコさんが好きです
出だしのリンコさんは
違和感がありましたが
最後にはすっかりリンコに心を奪われていました。
生田斗真だからとかではなく
この映画の中の「リンコ」の存在に惚れました
私も思春期に母親がいきなりいなくなったこともあったのでその疎外感も共感できました
そんな時に私にもリンコがいてくれたら
また今の気持ちは変わっていたんだろうと思いました
今までのトランスジェンダーの作品って
いかにも臭いところがあって
苦手でしたが
この作品でトランスジェンダーへの考え方が変わりました。
そのままの性別でいれば楽なんじゃないかな?あえて変えなくても幸せなんじゃないかと思っていた自分が失礼だと思わされました。
このままリンコさんの世界感のままでいたい、終わらないで欲しいそう思いました
ここまで心が奪われた映画は初めてだったので
いろんな人に見てもらいたいと思いました
つくづく思うけど…
監督の間の取り方と扉とかの日常のさりげない音の響きがうまい。ワンシーンワンシーンに絶妙な刷り込みかたでじんわり作品に引き込まれていきます。
淡々と描かれているけど、LGBTにしっかりと向き合えてて好感。主演の斗真始め、子役のともちゃんも桐谷もみなみないい演技されてます。
幸せでせつないけど、ほんと、良作でした。
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