彼らが本気で編むときは、のレビュー・感想・評価
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がさつ
映画のなかの世界は現実よりもリンコやLGBTに対して無理解です。
とうぜん、観衆のシンパシーを稼ぐためにそうなっているわけですが、それがあまり巧くないので白々しいです。
映画の世間には好ましい人たちと恐ろしい人たちがいて、勧善懲悪のように単純に構成されています。とりわけカイ君の母親(小池栄子:演)のキャラクターには唖然とします。戦隊ものにだって、これほどまでに単純化されたキャラクターは存在しません。
「違うの!」「普通じゃないの!」って・・・。
敵役として配置されたキャラクターなのは解ります。しかし、まるで人間味のない、書き割りのような人物像です。幼稚園児ですら彼女よりは倫理と常識をもっているはずです。また、なぜかカイ君も同性愛に悩んでいて構図がめちゃご都合主義です。さらに、カイ君、「普通って、何?」という、児童向け保健体育の啓蒙ビデオのような台詞を吐きます。ひょっとしたらキッズ向け映画なのかな?まして、この監督、わが国で代表的な女流とみなされているんですが・・・。
トモが好きだという食べ物は、シジミの醤油漬け、イカの塩辛、切り干し大根、だそうです。で、大人たちはその中年嗜好を揶揄するわけです。しかし、なぜ日毎コンビニのおにぎりを食べてきた被育児放棄の少女がそれらの玄人献立を知り得て、かつ、好きなのでしょう?これは、たんにウケ狙いの台詞ではないでしょうか。ウケ狙いゆえに、トモが背負っている現実的状況と矛盾が生じているのです。
いい加減に書いてるんだなあ、と思いました。
トモはリンコとマキオと一緒になってちんこのぬいぐるみを108体、手編みます。
いったい、どこの世界にちんこという俗語を持ち出して11歳の少女に男根をつくらせる大人がいるのでしょう。途上国であれ戦火の異境であれ、いかなる社会制度の国であれ、そんなおぞましい習俗はないはずです。なぜ少女の面前で下々に話が及ぶのかが、個人的には理解できませんでした。
LGBTを隠れ蓑にした、すげえがさつな映画だと思います。しっかし、この映画ってLGBTに無理解と思われたくないから、お追従でProsだらけになってるんですよね?
All these positive reviews:You gotta be kidding me! Here I really can't understand.
心がほっこりするシーン
母の愛
やっと
カタチなんて、あとから合わせればいい
生田斗真が女だった
背中が女。
歩いてる姿が女。
自転車漕いでる姿も女だったから、「本気やなぁ」と感心した。
こういった作品が出てくる事が増え始め、長い年月を経た運動でこの問題がまともに取り上げられ始めた事を実感した。
実際にトランスジェンダーの問題は難しい。
マキオのような感覚を持つのに抵抗がある人は多い故に、理解を得るには時間が掛かる。
道半ばの人権問題であるが故に自分ならどうする?と考えてしまう。
直接関わりがないとこの判断はしかねるし、現実にソコに居たとしたら…。
下衆な事を言えば、美男美女なら多少は違うのだろうとは思う。
しかし、眉目秀麗の人ばかりではないし、逆の様相を持つ人の方が多いだろう。
差別はしたくないが区別してしまいそうな自分に悲しくなった。
複雑である母と娘の関係性
結局は自分を捨てた実母を選ぶというラストで終わるけれど、子供のほうが母親の生い立ちを理解した上で母を捨てられなかったというように見えた。母親は自分の親から全く愛情を感じられずに育ったことで自分の子供に対してもどう育てたらいいのかわからないというように描かれているが、この子は実母からすべてを受容されて一番難しい思春期の時期を過ごせたリンコから理想の母親像を見せてもらえたことで、母と娘の葛藤の連鎖から解き放たれたという前向きなラストであったと思う。個人的にはおそらくまたしばらくしたら、母親は恋に生きるであろうからリンコの元に戻ってくるのではないかと予測して自分を納得させている。
ちんこの煩悩は108つ
最近、LGBTという言葉を目にすることが多くなり、ほとんどが性差別ヘイト撤廃という動きが強くなってるように思われます。母子家庭に育つ小学校5年のトモ(柿原りんか)の母ヒロミ(ミムラ)が男を追いかけて家出してしまったために、トモは叔父のマキオ(桐谷健太)の家に居候することになった。今までと違っていたのはトランスジェンダーのリンコ(生田斗真)と同棲していたことだった・・・
まだ男と女の違いさえハッキリ理解していない小学生にトランスジェンダーを理解するのは難しいだろう。トモは最初は嫌悪感を示すものの、リンコの作る料理が美味しかったことや、次第に愛情を注いでくれることで、徐々に信頼を寄せていく。その姿にリンコも愛おしさを覚え始めたのだった。リンコとマキオの出会いは、リンコが介護士として働く老人ホームでマキオの母(りりィ)を献身的に介護する姿にマキオが一目惚れしたためだった。介護問題も提起しているようであるが、ここらはちょっと物足りない(ギャグにしかなっていない)。
LGBTの問題を深く掘り下げるつもりはないが、トモの同級生でもあるカイ(込江海翔)も6年男子の大野先輩が好きだという設定であり、大人目線では語れないほど、子どもには違和感のあるものに違いない。カイは黒板に“ホモ”だと書かれ嫌がらせを受けているし、トモもリンコと一緒にいるところを目撃され同じように嫌がらせを受ける。これはまだ5年生であるためか、イジメにまでは発展しなさそうだ。むしろ大人の方が偏見が強いのだ。この辺りは小池栄子の演技がナイス!
リンコは性転換手術は受けてはいるものの、戸籍上は男。保険証も男なので、病院でのやり取りにも心揺さぶられます。母性愛がテーマでもあり、編み物をするということで優しさがアップする素敵な映画。生田斗真が女性に見えてくるから不思議だ・・・
【優しさに満ちたトランスジェンダー、リンコと恋人のマキオと孤独な小学生トモの心寄せあう、温かき生活を描き出す。荻上直子監督の慧眼と勇気に敬服した作品でもある。】
ー 邦画でLGBTをテーマに大手商業ベースで制作し、公開された記念すべき作品。ー
・苦々しい思い出として、公開前にも関わらず、ある映画サイトで異常に低い得点が大量に投稿されていたことを思い出す・・。
・荻上直子監督の
「アメリカに住んでいた時はLBGTの人たちが普通に暮らしていたのに、日本に戻るとそういう風景を殆ど観ないことから、この映画を着想した。」
という言葉は今でも覚えている。
《登場人物》
・リンコ(生田斗真:ビックリするくらいの美しさである・・)
女性への性別適合手術を受けたトランスジェンダー。
様々な偏見から守ってくれた母フミコ(田中美佐子)の深い愛の下、介護士として働く強い意志の有る慈悲深い女性。編み物が心を癒すアイテム。料理が見た目も含めとても上手。(彼女が作るお弁当がとても美味しそう。荻上組であるから、制作は、フード・スタイリスト 飯島奈美さん。そりゃ、美味しいよね、桐谷さん。)
・マキオ(桐谷健太:心優しき男を演じても天下一品である。)
母、サユリを介護するリンコの姿に一目ぼれする読書好きの男。姉、ヒロミとのほろ苦い過去を抱える。
・トモ(柿原リンカ)
母、ヒロミと二人暮らしの芯の強い小学生。ある日、ヒロミは男と姿を消してしまい、叔父マキオを頼る・・。
3人の不思議な同居生活は、安寧で、リンコの作る食事は美味しく、トモも優しいリンコに安らぎを覚え、信頼を寄せていく・・。
が、彼女達が生活する姿を誰もが好意的に見てくれている訳ではなく・・。
元号が変わった日本(特に行政システム)は今作公開時より、どこまで彼女達に対する見方、対応の仕方が変わったのだろうか?
<今作品を令和の日本でもう一度劇場公開したらどうだろう、と真剣に思う今日この頃である。>
<2017年2月25日 劇場にて鑑賞>
全世界の子供を守りたくなる映画
ビールを発明した人にノーベル賞をあげたい
編み物…
ラストの贈り物で涙がぽろぽろ。あれがあればどんな困難だってやり過ごせると思った。
母親がたくさん出てくる。
冒頭の、コンビニのおにぎり。
そして、食卓一杯に並べられた食事。
その流れに心が満たされていく。
さすが『かもめ食堂』の監督、と気分よく見始めたが、
途中から、すごく苦しくなった。
リンコの、良妻・良母ぶり。
それに比して描かれる、トモの母のダメっぷり。
生田氏の”女”らしく見せようという演技・演出?
ぶりっこのような仕草。
微妙にあっていない乙女チックなフリフリのファッション(今時、もっとリンコにあったスタイルの女性服があるはずなのに)。
”優しさ”が強調される性格。
”女”なら、”母親”ならこうあるべきが押し付けられてくる。
ジェンダーが押し付けられてくる。
何だそれ?
”男らしく””女らしく””夫婦とは異性であるべき”とか、たくさんの”こうあるべき”に苦しめられたであろう人が出てくるのに、意外に散りばめられている監督のメッセージ:”こうあるべき”。
それでも、リンコのぶりっ子なふるまいの中に、意外と男っぽい言い回しとかが出てきて、ほっとする。女にだってガサツな面やハンサムな面があったっていいじゃないか。
特に、後半の一人で悩んでいる場面。女である面と男である面が交差して、”人間”としての面が出ていて美しい。やっと素のリンコに触れられた気がした。
そして編み物。
女の恨みの象徴であり、
母の思いやりの象徴であり、
煩悩の象徴。
煩悩の象徴は昇華される。その場面のリンコもとてもきれい。
だからこそ、この後、リンコとマキオの家が編み物で埋め尽くされないことを願う。
と、映画全体ではしっくりこないが、
女とか男とかと関係なく、リンコの、トモとの心の距離感の詰め方が好き。痛みに寄り添える高貴なる魂に癒される。
『スイミー』小学校低学年の教科書にも載っている話。学芸会でも演じさせられるような教材。
こんな世界がすればいい。お互いの特徴を活かしあいながら生きていける世界が。
母であろうと、叔母であろうと、児相の職員であろうと、友であろうと、
私の生き方を尊重して、見守ってくれている存在があれば、生きていけるんだ。
トモの選択がそう言っている気がした。
トモを演じた子役がいい。類型が多くて平板に流れるこの映画に、トモの自然な演技が命を吹き込んだ。
㊟
「性」の話を一緒にできない親子は、一緒に見ると慌てることになる。性的な場面はないが、びっくりするような性のネタ・言葉がたくさん飛び交っているから。この映画をきっかけに、話ができるようになるといいけれど。
(自治体のトーク付き上映会にて鑑賞)
優しさと愛で溢れてる
トランスジェンダーについて描いた作品。
と、一言では言い表せないとても繊細で複雑、だけど明るくふんわりした優しい雰囲気に包まれてました。
リンコにはマキオと言う彼がいて、彼女の全てを受け入れてくれる。そして、そこにトモと言うマキオの姪がやってくる。そこから彼女らの生活が始まり、日常に変化が訪れる。
理解されない周りのリアルな心情も描かれていて、優しさだけではないです。
周りの反応ややり場がなく悔しい気持ちになったときリンコは、編み物をして心を落ち着かせる。この編み物には思いが込められて、作品の中で大事なキーポイントとなっている。
リンコ役の生田君、難しい役柄だと思いますが、とても素敵で細かい仕草、話し方が綺麗でした。周りの役者の方々も素晴らしく、すんなりと作品に浸れて、全く違和感なく観れました。
凄く胸が苦しくなりましたが、同時に心温まる話です。
周りの人に薦めたいと思う映画です。
彼らが本気で編むときは
ちょっと羽目を外して欲しかったかな、小さくまとまりすぎてる
CMにすごく興味をそそられて観ました。感想は、、ああ、バッドエンドかあ。と思ったのです。
設定が面白いんですが、盛り上がりがない、演出がチープ、なんか先が読める、ともちゃんがかわいい、トランスジェンダーであるリンコさんの心の揺らぎとかが見えない、話がよくとぶ、などなど。
私が一番期待したのは登場人物たちの気持ちの揺れ動きですがあまり演出に力を入れてないのかな、繊細に伝わって来ずなんだか期待はずれだったかも。
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