「見方によっては大傑作」追憶 アクシオンさんの映画レビュー(感想・評価)
見方によっては大傑作
まずは降旗・木村作品だけあって撮影の素晴らしさに感動。
隅々まで計算された絵作りはもはや官能的ですらある。
やたらシンメトリックな構図が目に付くが、作品テーマを暗示しているのかも。登場人物がスタンドアローンになるシーンがあまり無く、形を様々に変えつつも他者と画面内に居る事がほとんどだ。男女であり、旧友であり、同僚であったり…誰かと手を取り合い、衝突し、そして愛し合う。様々な人生の縮図を見せられた気分だ。
登場人物が暗い顔ばかりなのは如何なものかと思うが、それがかえって能登の美しい風景を際立たせているかのようだ。しかもやたら青空や夕陽がまぶしかったりする(笑)。ほんと、カメラマンばかりでワイワイ造ってる感満載だ。←褒めてます
残念なのは、登場人物すべてが描き切れておらずサスペンス性が低下した点。語り口のテンポがいいだけに結末に肩透かしをくった。
割と短尺なのに濃い話になっているが、2時間ぐらいかけてじっくり人物描写しても良かったかなと思う。
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