劇場公開日 2016年8月20日

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「狙いすぎたか」イレブン・ミニッツ 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5狙いすぎたか

2016年9月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

登場人物の全員が俗物であり類型的である。だから誰にも感情移入できない。人物が映画に登場するためには、多かれ少なかれ、理由が必要だ。典型に対する類型、正義に対する悪、または特別な生い立ちや体験など、映画のシチュエーションに合った人物でなければならない。
しかしこの映画では、そこら辺にいそうな俗物たちが、それぞれの小さな欲望のために利己的に動くだけだ。並列的に描かれるので、誰を中心に見ればいいのかわからず、注意が散漫になってしまう。簡単に言えば退屈ということだ。
ラストシーンも期待外れで、この映画を作った意図が理解できない。偶然の事故に巻き込まれる話なら、震災の被害者を取材した短いドキュメンタリーの方が、まだ状況を理解できるし、同情も共感もできる。

耶馬英彦