「桐山零の成長が楽しみ」3月のライオン 後編 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
桐山零の成長が楽しみ
前編は孤独で不安定な桐山零の心情をクローズアップした青春映画でしたが、後編は人間的に一段と成長した彼の姿が描かれています。前編で見られたような激しい対局シーンはありませんが、桐山零とその周囲の人々のヒューマンドラマに仕上がっています。原作が長いから2部に分けましたというよりは、明らかに役割の違う作品にした意図が感じられました。神木隆之介もなかなか見事です。心の空白を川本家に積極的に関わっていくことで埋め、青臭さも残しながら人間的にも成長していく姿を表現しています。将棋への関わり方も、前編の「将棋しかねーんだよー」という悲痛な心の叫びから、一途に高みを目指す勝負師の落ち着いた態度に変化していきました。同じ勝負師の幸田(父)と心を通わせるシーンは印象的になっています。
話を盛り込み過ぎだけど丁寧に描いて話をまとめ、桐山零を中心にその他の人物も前向きに進んでいくであろうという落ち着いたハッピーエンドになっています。
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