「公には語れない高校野球の光と影・・・」沖縄を変えた男 eigatama41さんの映画レビュー(感想・評価)
公には語れない高校野球の光と影・・・
高校野球コンプライアンスは、ひじょうに厳しい。
一昨年観たKANOは、ノンフィクション感が強かったですが、高校野球題材の映画や漫画は、事実や体験を取材し作られても、あくまでも架空なフィクションとして映像化され実名や題材高校が、明確にされる事はない。
この沖縄を変えた男は、豊見城高では、夏5度の甲子園出場し、1990・1991の沖縄水産を準優勝に導いた名将と呼ばれた男・栽監督を題材に書かれた「沖縄を変えた男 栽弘義ー高校野球に捧げた生涯」をフィクションとして映画化されてます。
戦後日本での内地との格差や差別や苦しみも織り込みながら明るい沖縄の人の描写に笑いもこぼれますが、ゴリ演じる琉球水産高校監督の甲子園で優勝する!という目的に対して一切妥協しない暴君ぶりは、世代的にコレが当たり前で育ってても、高校球児を2人育てた親としては、凝視出来ない描写も多かったです。
監督就任後、現役部員に毎日毎日グランド整備だけさせて、沖縄全土から自らスカウトした新入生が、入ってくるなり全員に退部勧告@@!
後日校舎の裏で、袋叩きのお礼参りされる・・・・
練習では、有無を言わせず罵声を浴びせて殴るは蹴る・・・
孤独を打ち消す為に、夜の街に繰り出し憂さ晴らし・・・
大半が、今で言うセクハラ・モラハラ・パワハラ・DVのオンパレード^^;
感動の映画化なら19歳の高校生監督のエピソードの方が良かったかも!?
居酒屋で話せる高校野球あるあるも、公の場では厳禁ってのが暗黙の了解。
光輝く球児の夢でもある甲子園・・・
今も日本で一番人気のあるアマチュアスポーツの光と影は奥深いですね。
本編は、全て沖縄の独特な喋りでの対話なので、演技がどうこうって部分は??ですが、お笑い芸人を多く使ってようで、野球シーンにハツラツとした高校野球を感じるリアリティを求めるのは酷。。。^^;
エンディングが、歌ではなくピアノってのが、この激しい物語を癒してくれたので、頭をリセットして劇場を後に出来ました。
拡大ロードショーは期待薄ですが、野球好きの方は、チャンスがあればDVDで是非〜☆3